週刊 あはきワールド 2009年6月17日号 No.139

医科学としての鍼灸医療、その確立に向けて

第58回全日本鍼灸学会学術大会(埼玉大会)開催される

社団法人全日本鍼灸学会(後藤修司会長)の第58回学術大会(埼玉大会)が6月12~14日までの3日間、さいたま市の大宮ソニックシティで開催された。特別講演や招待講演、教育講演のほか、シンポジウム、パネルディスカッション、臨床実技セミナーなど、盛りだくさんのプログラムが行われた。


   特別講演・山村義治氏

招待講演・Elvar Theodorsson氏
 特別講演の演題は4つ。山村義治(明治国際医療大学附属病院副院長)、猪熊茂子(日本赤十字社医療センターアレルギー・リウマチ科リウマチセンター長)、関隆志(東北大学大学院医学系研究科先進漢方治療医学講座講師)、鈴木則宏(慶應義塾大学医学部神経内科教授)の各氏がそれぞれ「内科領域における鍼灸治療の可能性」「膠原病の末梢循環障害の解析と物理療法を含めた治療の可能性」「老年医学と鍼灸」「脳血管の神経支配と片頭痛の病態」について講演した。

 招待講演では、Elvar Theodorsson氏(IKE/Clinical Chemistry,Linkoping University,Sweden)が「Neuropeptides and Acupuncture(神経ペプチドと鍼治療)について発表した。



   教育講演・吉川俊治氏

   会長講演・山口智氏
 教育講演は「湯液(漢方薬)と鍼灸の併用療法の意義」と「鍼灸医療の挑戦への期待」について2題。前者を磯部秀之氏(埼玉医科大学東洋医学科講師)が、後者を吉川俊治氏(慶應義塾大学法科大学院・医学部外科教授)がそれぞれ講演した。

 会長講演では、今回の学術大会の大会会長である山口智氏が「医科大学における鍼灸医療の成果と新しい展開―伝統医学の科学化への道」について発表した。

 シンポジウムのテーマは「故芹澤勝助先生の鍼灸医療に関する功績と新たなる展望」と「故佐藤昭夫先生の研究成果から見た自律神経と鍼灸」の2題。それぞれ座長の司会のもと、シンポジストの発表とディスカッションが行われた。


パネルディスカッション「癌と鍼灸」のパネリスト。左から福田文彦、黒川胤臣、真柄俊一の各氏

「癌と鍼灸」の指定発言者。左から中村辰三、小内愛の両氏
 
 パネルディスカッションで用意されたテーマは5つ。「腰痛に対するプライマリケア」「統合医療と透析医療―特に鍼灸に焦点を当てて」「専門医から見た鍼灸医療」「癌と鍼灸」「スポーツ鍼灸の現状と今後の展望―スポーツ鍼灸の可能性と人材育成を考える」についてそれぞれパネリストの発表とディスカッションが行われた。

 臨床実技セミナーでは坂井友実氏(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授)と徳竹忠司氏(筑波大学理療科教員養成施設)が「現代医学的鍼治療の実際」、岡田明三氏(神宮前鍼療所)と野呂信全氏(盛岡医療福祉専門学校)が「古典的鍼治療の実際」について、また兵頭明(学校法人後藤学園中医学研究部)、植松秀彰(医療法人財団天京会牧田中医センター)、河原保裕(アコール鍼灸治療院)の三氏が「中医学的鍼灸治療の実際」について講義と実技を行った。

◎第58回全日本鍼灸学会学術大会のHP:http://taikai.jsam.jp/



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