週刊 あはきワールド 2012年6月13日号 No.284

「患者のため」という原点に立ち返り、
様々な専門職や組織の連携と協調の在り方を探る

第61回全日本鍼灸学会学術大会三重大会開催される

 第61回社団法人全日本鍼灸学会学術大会三重大会が6月8~10日の3日間、四日市市文化会館で開催された。「患者のための鍼灸学~求められる連携と協調とは?~」をテーマに、特別講演や教育講演、シンポジウム、パネルディスカッション、セミナー、ワークショップ、一般口演、ポスター発表などが行われた。プログラムの中から、いくつか紹介すると――。

 特別シンポジウム「私が考える患者のための鍼灸学~臨床の最前線から~」 では、丸山一男(三重大学医学部教授)、安井廣迪(安井医院院長)、藤田典己(藤田クリニック院長)の三氏が演者を務め、それぞれ「痛みの治療と鍼灸」「これからの鍼灸界に臨むこと」「伝統醫学にて五臓と経絡のつながりを学ぶ」をテーマに発表した後、討論が行われた。座長は一見隆彦(一見鍼灸院院長)、竹田博文(慶福針灸院長)の両氏が務めた。


特別シンポジウム「私が考える患者のための鍼灸学~臨床の最前線から~」の演者。左から
丸山一男、安井廣迪、藤田典己の各氏



 パネルディスカッションⅠ「日本の鍼灸を取り巻く国際情勢」では、座長の小野直哉氏(財団法人未来工学研究所)がまず、日本の鍼灸を取り巻く国際情勢について概説した後、演者の東郷俊宏(東京有明医療大学保健医療学部准教授)、高澤直美(髙澤鍼灸治療院院長)、田上麻衣子(東海大学法学部准教授)の三氏が

パネルディスカッションⅠ「日本の鍼灸を取り巻く国際情勢」の演
者。東郷俊宏氏(左)と高澤直美氏(右)
それぞれ「ISO、WHOにおける鍼灸領域の国際標準化と日本」「WFASでの国際標準化の現状と課題」「鍼灸に関する伝統的知識の現状と課題」について発表し、その後ディスカッションが行われた。




特別講演Ⅰの猪飼周平氏(左)と特別講演Ⅱの石崎直人氏(右)
 特別講演Ⅰでは、猪飼周平氏 (一橋大学大学院准教授)が「日本医療の問題点と将来~鍼灸師が医療の中で果たすべき役割とは?~」 をテーマに講演した。特別講演Ⅱでは石崎直人氏 (明治国際医療大学教授)が「患者は医療に何を求めているか?~アンケート調査からみえてきた鍼灸への要望~」について発表した。

 シンポジウムⅠ「私の求める理想の医療~患者が鍼灸に求めているものとは~」では、「鍼灸院で鍼灸治療を受けている患者さん」「大学病院で鍼灸治療を受けている患者さん」「鍼灸のことは知っているが実際の治療を受けたことがない人」の3人がシンポジストとして登壇し、座長の奥田一道 (ユマニテク医療福祉大学校学科長) 、矢野忠 (明治国際医療大学教授)両氏のコーディネートによって、ディスカッションが展開された。


シンポジウムⅠ「私の求める理想の医療~患者が鍼灸に求めているものとは~」のシンポジスト




パネルディスカッションⅡ「宇宙科学の視点からの鍼灸医療の可
能性を探査する」のパネリスト。上段は小林智之氏(左)と 田中一
成 (右)、下段は今井賢治氏(左)と伊藤和憲氏(右)
 パネルディスカッションⅡ「宇宙科学の視点からの鍼灸医療の可能性を探査する」では、小林智之 (宇宙航空研究開発機構〔JAXA〕有人宇宙環境利用ミッション本部宇宙環境利用センター主幹開発員)、田中一成 (内閣府参事官 〔ライフイノベーション担当〕政策統括官 〔科学技術政策・イノベーション担当〕 付) 、今井賢治 (明治国際医療大学教授・JAXA宇宙鍼灸科学研究会代表)、伊藤和憲 (明治国際医療大学准教授・JAXA宇宙鍼灸科学研究会副代表)の四氏 が演者として順番に登壇。小林氏は「国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の利用と研究会の役割について」、田中氏は「我が国のライフイノベーションにおける宇宙医学への期待~補完代替医療の可能性~」、今井氏は「宇宙鍼灸科学研究会のこれまでの取り組みと今後の展開」、伊藤氏は「宇宙鍼灸は地域医療を変える~宇宙医学から見えてきた現実と課題~」についてそれぞれ発表したあと、ディスカッションが行われた。座長は演者も務めた今井氏と岩昌宏氏(明治国際医療大学准教授・JAXA宇宙鍼灸科学研究会副代表)が担当した。

 パネルディスカッションⅢ「患者のための鍼灸学~我々が進むべき患者の医学とは~」 では、座長の奥田一道 (ユマニテク医療福祉大学校学科長)、津田昌樹 (全日本鍼灸学会中部支部支部長)両氏の司会のもと、 演者として吉村治美 (はるみ鍼灸治療院院長)、高橋大希 (東京衛生学園)、伊藤和憲 (明治国際医療大学准教授)の三氏が順番に登壇。それぞれ「鍼灸臨床の現場から」「教育の現場から思うこと」「21世紀の鍼灸~患者と共に歩むために必要なこと~」をテーマに発表し、その後議論が展開された。


パネルディスカッションⅢ「患者のための鍼灸学~我々が進むべき患者の医学とは~」のパネ
リスト。左から伊藤和憲、高橋大希、吉村治美の各氏



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