抜缶療法の臨床応用
~吸角・吸玉などの別称をもつ即効治療法の活用術~

著者:西田皓一
定価:3,740円(本体3,400円+税)
判型:B5
頁数:134頁
発行:2009年3月
ISBN978-4-903699-15-8
本の紹介
吸角、吸玉、カッピングなどの別名をもつ抜缶療法は何千年も前から洋の東西を問わず盛んに行われてきた治療法だが、日本では廃れ、現在では一部の治療家が活用するか、民間療法として利用されるに過ぎなくなってしまった。
ところが、本書の著者、西田皓一氏(医師)は東洋医学との出合いの中で、皮膚を陰圧で吸引するだけで誰でも簡単に病が治せるこの治療法に着目。自らの臨床の中で、抜缶のみによる抜缶単独法、刺針療法を併用する刺針抜缶法、刺絡療法を併用する刺絡抜缶法の3つの方法を数年間追試しながら研究を積み重ねてきた。そして、「臨床効果の面で針灸治療と遜色のない効果があることを確信し、抜缶療法をもっと広めたい」との思いから、この本をまとめ上げたのである。
本書は「PART Ⅰ 抜缶療法について」「PART Ⅱ 抜缶療法の方法」「PART Ⅲ 抜缶療法による治療例」の3つのパートで構成されている。
PART Ⅰでは、抜缶療法の歴史や理論などについて概説し、 PART Ⅱでは抜缶療法の実際のやり方を写真や図を多用して詳しく解説。さらに、 PART
Ⅲではこれから抜缶療法を始める人が追試しやすいように著者が集積した治療例を分類・評価して紹介している。
目次
PART Ⅰ 抜缶療法について
Chapter 1 抜缶療法の歴史のあらまし
抜缶療法は歴史が古いだけに吸角療法、吸玉療法などの多くの別名がある/吸引法は時代とともに変遷してきた/古代から世界のあちらこちらで、この治療法が利用されてきた
Chapter 2 抜缶療法の長所と短所
抜缶療法の長所/抜缶療法の短所/抜缶療法雑感
Chapter 3 皮膚の構造と生理作用
皮膚の構造とその働き/抜缶すると皮膚の状態がわかる
Chapter 4 抜缶療法の作用機序
皮膚を陰圧で吸引すると身体にいったい何が起こるのか/真空陰圧 器を扱っている健康医学社の説明/著者の臨床観察による抜缶の効果/中医学からみた抜缶療法の作用/現代医学からみた抜缶療法の作用
Chapter 5 抜缶後にできる缶象の臨床的意義
抜缶後には「缶象」ができる/缶象にはどんな臨床的意味があるのか?/中医学では缶象をどのように考えているのか?/抜缶後に生じる皮膚の変化(缶象)の臨床的意義のまとめ
PART Ⅱ 抜缶療法の方法
Chapter 6 抜缶療法の器具の種類と、抜缶方法
抜缶療法の器具の種類/抜缶方法/缶を装着するときの注意点
Chapter 7 抜缶療法の手技
単独抜缶療法/結合抜缶療法
Chapter 8 抜缶療法のための経絡理論
①全身療法を行うときの取穴法(八会穴、兪穴と募穴、夾脊穴、督脈と任脈)/②循経取穴法/③局所取穴法(病理反応点)/④奇穴の取穴法
Chapter 9 疾患別の抜缶療法
それぞれの疾患ごとに、抜缶はどのように行うのか、どこで刺針や刺絡を抜缶と併用するのか/①全身療法/②筋肉関節疾患の抜缶療法/③内科疾患の抜缶療法/④皮膚科疾患の抜缶療法/⑤婦人科疾患の抜缶療法
Chapter 10 抜缶療法の注意事項と禁忌
抜缶療法の注意事項/抜缶療法の禁忌
Chapter 11 抜缶単独療法の適応と限界
抜缶単独療法の適応/抜缶単独療法での限界/抜缶療法に、刺針や刺絡を併用するとさらに治療効果は上がる
PART Ⅲ 抜缶療法による治療例
Chapter 12 抜缶療法による治療症例について
抜缶療法の評価方法
Chapter 13 抜缶療法単独で著効のあった治療例
頚部疾患の症例/肩関節疾患の症例/上肢と肘疾患の症例/胸部疾患の症例/腹部疾患の症例/背部疾患の症例/腰部疾患の症例/膝関節疾患の症例/下肢の疾患の症例
/帯状疱疹後の神経痛の症例/まとめ
Chapter 14 抜缶療法のみで効かなかった治療例
抜缶療法のみで効かなかった症例/抜缶療法が無効だった4例から考えられること
Chapter 15 抜缶療法も刺針も同じように効果のあった治療例
抜缶療法も刺針も同じように効果のあった症例/まとめ
Chapter 16 骨に器質的異常のある患者に抜缶療法のみを行った治療例
骨に器質的異常のある患者に抜缶療法のみを行った症例/まとめ
Chapter 17 刺針抜缶法による治療例
刺針抜缶法を用いた症例/まとめ
Chapter 18 刺絡抜缶法による治療例
刺絡抜缶法の治療の対象になる疾患