アスパ・メソッド
アスパ(エックス)の法則とそれに基づく阿是指圧療法
監修: 石塚 寛
著:小野田 茂
定価:3,740円(本体3,400円+税)
判型:B5
頁数:142頁
発行:2018年7月
ISBN978-4-903699-66-0
本の紹介
アスパ(X)の法則を知れば、あなたの治療が変わる!
不快症状や痛み、しびれなどの異常は症状が出ているその部位に原因があるのではなく、ほかに原因のある場所の歪みが一定の法則に従って反射して起こる場合がよくある。肩甲上部の痛み(肩こり)の原因が骨盤のズレだったとか、頚部痛の原因が足首の捻挫を完治させずに長年放置していたからだったといったことはプロの治療家なら臨床でよく出くわす。
足首の捻挫が原因で頚部痛になったケースを少し細かく見てみよう。たとえば、左重心の人が左足を捻挫して体重を支えらない場合を想定して考えてみる。①反対側(右脚)の膝に負担がかかる→②その結果、膝と同側(右)の殿部と腰部にも負担がかかってくる。この状況が改善されずバランスが崩れた状態が続くと、補正動作はさらに上方へと進む。→③反対側(左)の肩甲間部に反射する→④肩甲上部(左)に反射する→⑤そしてさらに反対側の後頚部(右)に反射する。このプロセスで左足首の捻挫が原因で右頚部痛が起こる。左足首の捻挫の場合は同様のプロセスで、左頚部痛が起こる。
この左右の足の捻挫の場所と左右の頚部痛の場所を線で結んでみると、その形はスペイン語のアスパ、英語のエックス(X)の形になる。ごく簡単に言えば、このようなケースではアスパ(X)の法則が適用され、症状のある部位から離れたところから施術すること(遠隔治療)がスタンダードな治療となる。
アスパ・メソッドとは、アスパの法則が適用される症状に対して行う治療法である。本書では、第1部「基礎編」でアスパ・メソッドの理論とその治療法などについて解説し、第2部「治療編」では首の治療を取り上げ、具体的にアスパ・メソッドを用いてどのように首の治療をするのかに迫る。遠隔操作を用いてマクロ、ミクロの治療を変幻自在に使い分けて根本治療を行うための指針として、アスパ・メソッドをぜひ使いこなしたいものである。
●関連記事1(週刊あはきワールド 2018年7月4日号 No.576)
『アスパ・メソッド』へのいざない 上
アスパの法則が根本治療を行う治療師の仕事をお手伝い!
『アスパ・メソッド』の「まえがき」より/小野田茂
●関連記事2(週刊あはきワールド 2018年7月11日号 No.577)
『アスパ・メソッド』へのいざない 下
アスパの法則は体のケアをするためのアンチョコ(赤本)だ!
『アスパ・メソッド』の「あとがき」より/小野田茂
目次
Part1 アスパ・メソッド~基礎編~
Chapter 1 アスパの法則の起源
1.アスパ法則の出発点
2.アスパの法則とは
Chapter 2 日常生活で繰り返される体を負に導く、悪習慣の動作による歪み
1.一般的な右利きの人の作業
2.立位の姿勢
3.座った姿勢
4.同じ動作の反復 ( スポーツ )
Chapter 3 指圧におけるアスパの法則の適用
1.指圧におけるアスパの法則の適用
Chapter 4 アスパの法則に則った指圧の施術法
1.アスパの法則に則れば施術者の体にやさしい
2.理想的な体重の移動
3.左母指の役割(施術者は患者の左体側にて基本姿勢)
4.右母指の役割( 患者は頭を左側に回旋させた伏臥位)
Chapter 5 アスパの法則およびその他のテクニックとのコンセプトの考察
1.反射ゾーン
2.関節において:骨格をつなげる関節線上における遠隔治療
Chapter 6 アスパの法則の作用のパラメーター
1.アスパの法則の作用範囲別の3分類
2.具体例
Chapter 7 アスパの法則に基づく治療を補充するもの
1.既往歴に関して患者が提供する情報
2.骨盤を中心とした腰部の8通りの動きを観察し
患者の体の構造バランスを分析する
3.虚実の法則の適用
4.新しい痛み、古い痛み
Chapter 8 患者の年齢に合わせた治療
1.高齢者あるいは体力のない患者の場合
2.若い人や体力のある患者さんの場合
Chapter 9 体の後側部(実部)における一般的なアスパ
1.アンバランスの補正作用は体の下方から上方へ
2.アンバランスを補正する方法は人それぞれ「くせ」がある
Chapter 10 マクロコンセプトを適用した治療
1.肩甲上部痛(肩こり)・頚部痛(寝違い)の治療
2.大腿内側部の治療/3.腰部(背部)と腹部
Chapter 11 ミディアムコンセプトを適用した治療
1.腰痛(背側志室部右側の痛み)
2.肩甲間部の痛み
3.後頭部と後頚部
4.腰仙部
Chapter 12 ミクロコンセプトを適用した治療
1.腰から足までの関節
2.下肢間の関係
3.上肢間の関係
4.上肢と下肢の関係
Chapter 13 特殊な関係
1.胸骨部―腰部
2.頚部(第7頚椎)―鳩尾と巨闕―腰仙部
3.背部―腹部の関係
4.仙骨部―下肢内側部(血の道)の関係
5.腓腹筋と心臓
6.膝窩部と腰部
7.大腿後側4点目(殷門)と肩甲上部(肩井)
8.腸腰筋と前脛骨筋
9.結論
Part2 アスパ・メソッド~治療編~
Chapter 14 痛みの連動理論~阿是指圧における考え方~
1.阿是指圧における痛みの連動の考え方
2.結論
3.注意事項
4.側頚部の重要性
5.診断時の注意点
Chapter 15 阿是指圧理論における基本反射ゾーン
1.後頭骨部―肩甲上部、肩甲間部―肩甲上部の反射
2.後頭骨部―後頚部・側頚部の反射
3.大胸筋―肩甲上部、肩甲上部―肩甲間部の反射
Chapter 16 触診による各ゾーンの順番の決定
1.頚椎棘突起上の触診
2.後頚部(両側)の触診
3.後頚部(右側、左側)の触診
4.後頭骨部(両側)の触診
Chapter 17 首の後部治療 その1~準備段階~
1.準備段階
2.付録
3.おさらい(右後頭骨部硬結消失の治療過程)
Chapter 18 首の後部治療 その2
~頚部治療の基礎と首の後部治療の実際~
1.頚部治療の基礎 1
2.頚部治療の基礎 2
3.頚部治療の基礎 3
4.頚部治療の基礎 4
5.頚部治療の基礎 5
6.頚部治療の基礎 6
7.頚部治療の基礎 7
8.頚部治療の前部、後部
9.施術
Chapter 19 首の前部治療 その1~準備段階~
1.準備段階
2.前部治療の指圧
Chapter 20 首の前部治療 その2~治療の実際~
1.首の前部治療の順番
2.首の前部治療の実際
3.最終chapterに一言