週刊あはきワールド 2016年9月21日号 No.490

全力で治す東西両医療 第7回

バイタルサイン簡単症例集(1)

~脈拍の症例から考える~

山田整形外科・胃腸科・肛門科 鍼灸師 荒川和子 


◎第5回 バイタルサインは生きているサイン(3)
      ~鍼灸学生の疑問に答える~(荒川和子、対談:平岡・小泉・木村)
◎第4回 バイタルサインは生きているサイン(2)
      ~89歳女性のケースから考えてみよう~(木村朗子、対談:石川家明)
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【座談会参加者】
平岡遼(鍼灸学生3年 鍼灸師予定)
佐藤もも子(ともともクリニック 鍼灸師)
木村朗子(ともともクリニック院長 医師)
石川家明 (TOMOTOMO友と共に学ぶ東西両医学研修の会代表)

 前回は、高齢者2名の症例を通じて、意識障害に着目しながらバイタルサインをみていきました。いずれも後方医療機関に送るかどうかを考えながら、推論を進めていった症例です。

 さて、バイタルサインの臨床的意味を学んできましたが、今度は趣向を変えて今まで学んできた内容の総復習をしてみましょう。まずは脈拍に注目したいくつかの症例をご紹介していきます。掲げた症例が後方医療機関に急いで送るものなのか、送らずに様子をみるのか、一緒に考えてみてください。バイタルサインを通じてその根拠をどう考えることができるのかをみていきたいと思います。

 簡単な症例から入っています。ぜひ、途中挫折した人もまたトライしてみてください。今回も症例を通しながら周辺の医療知識を学べるように展開しています。さらに実際の診察で、このバイタルサインならばこの問診事項が欠かせないという臨床上のチェックポイントも示してあります。一挙三得!

<症例1>

平岡遼さん 30歳 男性
《バイタル》
BT36.5℃、BP118/62mmHg、HR52/分、RR14/分、SpO2 98%


荒川大変勉強になるバイタルですね。(笑)平岡さん、ご呈示ありがとうございます。気になる点を挙げてみましょう。

佐藤脈拍が52/分ですと徐脈傾向といえます。他のバイタルは問題ないようですね。脈拍数はいつもこのくらいなのですか?

平岡そうですね。以前からこのぐらいです。

荒川佐藤さんが徐脈と判断してくれました。そもそも脈拍数の基準は年齢によって異なりましたね。

[脈拍の年齢差]
・新生児 140/分
・乳児  120/分
・幼児  110/分
・小児  100/分
・青春期以降 70~80/分
・老年 60/分
     ⇒20/分以上前後する場合、頻脈または徐脈ととらえる
 「刷新してほしいナースのバイタルサイン技法」より

 新生児(生後28日まで)の方が脈拍は多く、だいたい140/分ぐらいです。成長とともに、乳児(生後1年未満)は120/分、幼児(1~6歳)は110/分、小児(15歳までとしているものが多い)は100/分です。

 各自の基準から20/分以上前後する場合、その人にとっての頻脈または徐脈と捉えますが、老年では90/分以上を頻脈、50/分未満を徐脈と捉えます。成書によっては徐脈を60/分未満とするものもありますので、少し幅があります。だいたい50/分前後で徐脈を想定して良いのではないかと思います。

荒川平岡さんの徐脈はどう捉えたらよいでしょうか。
 

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