週刊あはきワールド 2016年10月19日号 No.494

カラダの欲求と操体の私的解釈 第11回

橋本敬三が残した課題(6)

~操体式食事法を模索する その3(食事法完結編)~

 大隈博英 


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断食は苦しい?

 断食は苦しいものだと思われがちであるが、順序よく身体を慣らしていけば、空腹はある時期を境に感じなくなっていくし、後半にはむしろ、独特の爽快感を感じることすらある。しかし、これは、実は危険なことでもある。

 鍼灸臨床家の患者は主に痛みを伴ったものが多いが、患者の中には

「どうして、痛みなんか、あるのかしら。そんなもの、なければよいのに」

と、話す人も少なくない。しかし、実は痛みというのは、身体の危機を知らせる重要なサインであり、もし、痛みを人間が感じなければ、気づかないうちに傷らだけになっていて、最悪の場合、出血多量で死亡することもあるかもしれないし、感染を起こして、敗血症で死亡するかもしれない。

 そんな大げさなと思うかもしれないが、熱中症などで、重症になる人は高齢者に多い。それは高齢者が暑さに鈍感になっていて、喉の渇きを覚えにくいからだと言われている。こういった身体が感じる感覚というのは、たとえそれが苦痛であっても、とても大切な信号なのである。

 断食でも、同じである。空腹感というのは、少しはあった方が危険性がなく、うまくいきやすい。もし、空腹感を感じなくなったら、それは、身体が順応してきたのか、それとも感覚がマヒしてきたのかのどちらかで、正しく見極めないと、その時の対応次第では、命に関わる危険な状況になっているということである。

 そのため、そういったことも起こりうるということをしっかり認識した上で、経験豊富な、できれば医療機関の指導の下で実践してほしいと思う。

 さて、断食の効用に話を戻すが、ここでは特に前回の②の消化器官の休養について考えてみたい。

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