週刊あはきワールド 2016年11月16日号 No.498

全力で治す東西両医療 第9回

バイタルサイン簡単症例集(3)

~血圧の症例から考える その2~

山田整形外科・胃腸科・肛門科 鍼灸師 荒川和子 


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 前回は低血圧に注目したいくつかの症例をご紹介しました。ともともクリニックで出合った症例だけでなく、鍼灸院で、あるいは市民として暮らしの中で出合う可能性もある、いくつかの例をご紹介しました。

 今回は、日本人の約4300万人がもつといわれる高血圧をテーマに症例をみていきたいと思います。高血圧はなぜいけないのか、内服が治療の中心ではありますがほかにどんな治療法があるのか、よく出合う本態性高血圧症の症例を通してお話します。今回はクリニックに研修に来ていただいている内科医の長倉聖子先生が参加してくださいました。

【座談会参加者】
平岡遼(鍼灸学生3年 鍼灸師予定)
木村朗子(ともともクリニック院長 医師)
長倉聖子(ともともクリニック 研修医)

■救急対応の必要な高血圧とは

荒川前回は健康診断で低血圧を指摘された症例と、血圧の変動が生じた低血圧の症例をご紹介しました。それから、訪問診療で低血圧に出合うケースや、食物アレルギーによるアナフィラキシーショックを疑ったケース等のお話もありましたね。

平岡血圧というと、高血圧のイメージが強いので、臨床では意外と低血圧が身近で、注意が必要であるということに驚きました。

荒川鍼灸師もショックを学ぶ必要があるということを、症例を通じてお分かりいただけたのではないかと思います。バイタルをしっかり勉強してリスク管理がきちんとできる鍼灸師になりたいですね。

平岡しかし、やはり多いのは高血圧ですね。

荒川そうですね。高血圧治療ガイドラインによると、日本人の高血圧有病者数は4300万人とされていて、高齢化に伴い今後はさらに増加することが予想されます。

平岡高血圧の既往をもつ患者さんを診る場合、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。

荒川平岡さんは、どう思いますか?

平岡前回の、低血圧の症例からイメージすると、高血圧の場合も他のバイタルサインが安定していることや、随伴する症状の有無は大事になると思います。

長倉そうですね。まずは緊急に治療が必要な高血圧かどうか、バイタルとその他の症状から判断するのが大切だと思います。高血圧緊急症の定義は、著しい血圧上昇を認め、臓器障害を示唆する所見(胸痛、背部痛、呼吸苦、神経所見、けいれん、意識状態など)があることとなっています。つまり不自然に血圧が高いときは、さらにいつもとは違う身体症状に注意ってことですね。そういう病態を起こすような疾患というと、どんなものでしょう?

平岡臓器障害の内容から察するに、心筋梗塞や脳の障害もありそうですね。内分泌で考えるとカテコールアミンが多量に分泌されてしまうような疾患でも高血圧になりそうです。いずれも急性発症したときでしょうか。

長倉そうですね。高血圧緊急症の原因となりうる疾患は教科書的には高血圧性脳症、脳血管障害、肺水腫を伴う急性心不全・急性冠症候群、子癇、高血圧を伴う解離性大動脈瘤、脊髄損傷後、褐色細胞腫のクリーゼ、降圧薬の急な中止など、です。いつもよりなんだか高い血圧できた患者さんが、実は心筋梗塞や脳血管疾患だったってこともあるかも。気をつけた方がいいですね。

■高血圧患者さんに何を聞いていくか?

荒川バイタルの評価と随伴症状は、前回低血圧の話ではショックか無症候性低血圧かの判断に重要でしたね。では、臓器障害がなさそうだと判断できたとして、その後はどうしましょうか。

平岡そうですね、まず薬をきちんと飲めているかどうかを聞きます。

荒川いいですね、それから?
 

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