週刊あはきワールド 2016年11月16日号 No.498

在宅ケア奮闘記 その119

ポータブルトイレは高さが大事!

~レビー小体型認知症のCさんが身をもって教えてくれた真実(上)~

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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 腰椎の圧迫骨折で2カ月入院していたCさんが退院してきた。レビー小体型認知症のある82歳の女性で独居。近くに住む息子夫婦がよく面倒を見ているが、認知が出てきてからは問題が多く困っていた。

誰かがいる! Cさん、幻覚が見え始める

 金銭的にしっかりしているCさんは体調が悪くなると幻覚が見え始めた。誰かが部屋の中にいる。玄関を勝手に開けて入ってくる。裏庭から部屋の中を見ていて、自分がトイレに入ったときや風呂に入った隙に入り込んでいる。

 最初は「誰かがいるので怖い」と怯える毎日だった。それが、「絶対に玄関先にいる」と言って警察に通報するようになった。息子と嫁は警察に行きいろいろ話をしてきたようで、パトロールのときに警察官がCさん宅を訪ねて声を掛けてくれるようになって、Cさんは落ち着いた。

 玄関の外には誰かいても警察が守ってくれると思ったようだ。しかし、ちょっとの間でも玄関の鍵をかけていなければ入ってくるので、出かけるときは3回でも5回でも鍵を閉め忘れていないかのチェックでナカナカ出ていくことができない。

 デイサービスも利用していたCさんだったが、デイサービスから迎えが来ても「鍵閉めたかもう一度見てくる」が続き、デイサービスから丁寧なお断りの申し出があってデイサービスに行けなくなった。家から出ていかない生活が基本となった。

ない、ない、ない! Cさん、貴重品を隠した場所を忘れる

 そのうち、Cさんは貴重品を目のつかないところに隠すようになっていった。押し入れの布団の間や、使わなくなっている亡くなったご主人用のタンスの奥。台所の隅。

 ヘルパーさんが帰った後や、息子や嫁が帰った後に、貴重品を点検する。最初は自分が隠したことを認識しているが、そのうち隠した場所を忘れてしまう。

 「財布がない。指輪がない。実印がない。保険証がない。通帳がない。新しい下着がない。買い立ての毛布がない」。なくなってしまうものが増えていく。

ヘルパーが盗った! Cさん、錠前を3回変える

 最初は「あのヘルパーが盗った」と思い込んでいた。「お父さんが死ぬ前に入っていたヘルパーでお父さんと仲良くなって鍵をもらっていて、私が寝ている隙に入ってきて盗んでいる」と真剣に言い出した。そうでないとCさんの物がなくなる現象を整理できないからだ。
 

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