週刊あはきワールド 2016年12月7日号 No.500

特別寄稿(お祝いのことば)

「500」の意味するもの

~あはきワールド500号を祝う~

森ノ宮医療大学鍼灸学科客員教授 浦山きか 


 「あはきワールド」が500号を迎えられたことを衷心よりお慶びを申し上げたい。

 本誌は2006年8月25日にパイロット版が発行され、9月6日に第1号が配信されている。爾来、ほぼ毎週新しい情報を発信し続け、気がつけばすでにまる10年を超えており、月刊誌に換算すれば40年以上の長きにわたる。当初は存続を危ぶむ声すらあったが、松田博公氏をはじめとする多くの寄稿者による読み応えのある誌面を保って今号を迎えられたのは、なんといっても編集人である石井利久氏のたゆまぬ努力と人望によるところであろう。

 さて、区切りのいい数字には、特定のイメージが付随する。今年12月9日に没後100年を迎える夏目漱石が「百年(目)」という区切りに思い入れがあったことはよく知られている。当時の100年は人ひとりでは届かない感覚があっただろう。古典をひもとけば、『素問』上古天真論篇や『霊枢』天年篇においては人の「天年」を100歳と数えている。

 『抱朴子』対俗によれば、いろいろな動物にも寿命があるという。「…虎と鹿・兎は全て1000年の寿命があり、500歳になれば、毛色が白くなる。熊は500歳を数えると、変化できるようになる。狐狸豺狼は、800歳の寿命を持つが、500歳になると人間の姿をとるようになる…」とのことだ。これによれば、500とはターニングポイントである。1000や800という大いなる数への中間地点でありはするが、それまでの蓄積を踏まえて確固たる基盤を築き、さらなる次元へと飛躍するための、重要な位置をしめる。

 人に1000歳の齢は得がたい。だが、『孟子』公孫丑下には、500年にして必ず王者が起こるといい、『顔氏家訓』慕賢には、古人の言として聖人は1000年に一度、賢者は500年に一度現れるというがごとく、やはり大きな区切りであることに変わりはない。

 鍼灸に関心を持ち、最新の情報を得たいと考える読者がいるかぎり、本誌はその役目を果たし続け、さらなる大きな節目に一歩一歩近づいてゆくことだろう。現在、ひとの寿命は伸びて100歳は珍しくなく、医学と鍼灸の役割は、これまで以上に重要なものになっている。その現在に直結する貴重な情報を、もっともリアルに提供し続ける本誌の、さらなる飛躍に期待してお祝いの言葉とさせて頂きたい。

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