週刊あはきワールド 2016年12月7日号 No.500

【新連載】週刊『あはきワールド』500号記念評論 第1回

世界鍼灸学会連合会学術大会(東京/つくば)2016からの展望

「持続可能な鍼灸」から「持続可能な社会のための鍼灸」へ(上)

 松田博公 


第1回 世界鍼灸学会連合会学術大会(東京/つくば)2016からの展望
     「持続可能な鍼灸」から「持続可能な社会のための鍼灸」へ(上)
第2回 世界鍼灸学会連合会学術大会(東京/つくば)2016からの展望
     「持続可能な鍼灸」から「持続可能な社会のための鍼灸」へ(中)
第3回 世界鍼灸学会連合会学術大会(東京/つくば)2016からの展望
     「持続可能な鍼灸」から「持続可能な社会のための鍼灸」へ(下)

お灸は人類への素晴らしい贈り物

「無心」は日本鍼灸の悟達の境地か

 11月5~6日、茨城県つくば市のつくば国際会議場で「世界鍼灸学会連合会学術大会(東京/つくば)2016」が開催された。時あたかも週刊『あはきワールド』が栄えある500号を迎える。日本の鍼灸界が総力を挙げて取り組み、1700人を超える参加者が集まったこの大会から、『あはきワールド』1000号に向かう日本鍼灸、世界鍼灸の課題を占ってみよう。取り出しましたる筮竹と亀甲が、吉と出るのを祈りつつ。


開会式で挨拶をする後藤修司会頭















地球に優しい日本鍼灸~ブラジルの小渡良博氏

 今大会のテーマは、「美しき鍼灸—持続可能なヘルスケアと養生」であった。以前から、会頭を務めた後藤修司氏の持論をお聞きしてきたわたしには、これが後藤氏の今日や昨日の思いつきでないことが理解できる。科学技術を軸とする現代文明は、いまや地球の存続を危うくしている。社会、経済、医療などあらゆる領域で、人類は「持続可能な」システムを再構築しなくてはならない。3000年の歴史を持つ鍼灸は、ひとに内在する治癒力を賦活する安全で安価で省資源の自然医療であり、地球文明のサバイバルにきっと役立つだろう。

 この問いかけは、京都大学こころの未来研究センター教授、広井良典氏による基調講演で、医療経済の観点から答えられたとはいえ、口頭発表やポスター発表を見る限り、国内の鍼灸師の関心は惹かなかったようである。しかし、日本から遠く離れたブラジルで日本鍼灸の普及に半生を賭けてきた日本人二世、小渡良博氏にとって、このテーマは日本鍼灸の価値と切り離せない。6日の特別セッション「世界で活躍する日本鍼灸」で、水谷潤治氏(カナダ)、八巻晴夫氏(ニカラグア)、土屋光春氏(ポルトガル)、高田忠典氏(カンボジア)と共に登壇した小渡氏は、ヨモギを摘んでモグサを作り、ディスポならぬ手作りの銀鍼を片手挿管法で操作するなど、身を通してWAZA(わざ)を学ぶ「道場」教育を紹介してから、こう語った。
 

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