週刊あはきワールド 2017年1月25日号 No.507

AZE SHIATSU(阿是指圧)の神髄 その20

アンバランスの要因②…体の前面、体の後面のアンバランス(16)

~腸腰筋と腹部の指圧5~

日西指圧学院 小野田茂 


◎過去記事≫≫  もっと見る

近年、腹部の治療では腸腰筋が重要視されている

 それでは、腸腰筋を緩めるお腹の治療法の実際を考察します。

 体の要に位置する腸腰筋は一昔前の手技療法の世界では、あまり重要視されなかった筋肉です。むしろ腰痛治療の際、坐骨神経痛を伴う第4段階の腰痛症において坐骨神経の走行に関与する殿部の筋肉を緩める治療において外旋および骨盤安定に関与する梨状筋の方がたびたび出てくる筋肉でした。実際、私の修業時代の走り書きノートを見ると梨状筋攻略法がだいぶ記録に残っています。2000年初頭、インナーマッスルを重要視する傾向がいつもの通りアメリカからブーム的存在で輸入されて、腸腰筋が治療の花形に浮上したのです。トリガーポイントなどもいつの間にか一般化されました。

 指圧の世界では、腸腰筋に対するアプローチは腸腰筋という筋肉名はさておき、実の背中に対するお腹の虚、このバランスを整えることが自然治癒力を高めることができる。そして体の仕組みの要は腰にあるという昔からの治療法の伝承で腸腰筋を筆頭にするインナーマッスルは、知らず知らずのうちに治療していたように思われます。

 健康に関する本が、怒涛のように本屋に置かれて、私たちはこぞって購買するのですが、確かに腸腰筋をどう鍛えるか、どう柔軟性を持たせるか、どう治療するか等々、の本が目立ちます。 

腸腰筋の指圧治療の実際

 それでは改めて指圧治療で、腸腰筋のアンバランスを治療する順番を述べてみます。

1.腰部の牽引(図1)
 骨盤の動きには前にも述べましたが、左右回旋、左右側屈、屈曲、伸展、圧迫、牽引の8つの基本の作用があります。

 骨盤の上下の安定を持たせるため、そして腰部(特に脊柱起立筋)の緊張を緩和させるために、両手を組んで膝窩部に持っていき、体全体を後傾させて骨盤部と第5腰椎と第1仙椎の境を意識して牽引します。腰部の筋肉が緩み、床と腰部の密着度が増したかを確かめます。息を吐かせながら誘導します。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる