週刊あはきワールド 2017年2月1日号 No.508

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.34-1

花粉症はこう治す!(その1)

~季節の邪に対応する鍼灸治療~

関西漢法苞徳之会学術総括部長 利川鉄漢 


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 石井さんから原稿の執筆依頼があり、はじめは何らかの迷惑メールと思いそのままにしておいたのだが、どうやら本当らしくなにかしら引き受けてしまった。ここからが苦悩の日々が続く。原稿を書くよりも座談でしゃべる方がまだ気が楽とぼやきながらも慣れない執筆作業を続けていた。

 「ビギナーズ鍼灸師・学生にも興味が出るように書いていただければよりいいです」とは言うものの、漢法理論なんぞは概念の異なる専門用語が並び、古医書にいたっては重箱の隅を突くような解釈のオンパレード。(笑)

 学生さんに至っては、中医学用語と日本の漢法用語がごっちゃになって理解不能の状態かもしれないので、かみ砕いて書こうと思ったが、それがまた大変。そういう世界なんですよね。漢法医学の世界って。それと「かんぽう」の漢字表記を「漢法」にしているのは、昔に方剤に関しては「方」を、手法に関しては「法」を使用していたそうなので「漢法」になっています。

はじめに

 私が最初に影響を受けたのがいわゆる「経絡治療」だった。「脉診」を習得したいという思いから、学生時代に福井仁照先生に弟子入りし、2年間患者さんの対応や治療の様子、漢法医学の基本的なことなど幅広く厳しくご指導をしていただいた。そのご縁で東洋はり医学会北大阪支部(現 関西支部)の宮脇優輝先生を薦めていただき5年間、経絡治療・宮脇式奇経治療など多くを学ばせていただいた。

 弟子を終え、日々臨床を行っていると未熟であるがゆえ、治療に対していろんな疑問を抱くようになり、日本の名だたる経絡治療家の先生に質問や疑問など手紙を出して見聞を広げていた。その中のお一人に日本経絡学会(現日本伝統鍼灸学会)誌に『難経』の論文を多数発表されていた八木素萌先生がおられた。

 八木先生に当時疑問に思っていたことをぶつけたところ、すべての疑問に答えてくださり、また在来型の経絡治療の諸問題についてご教授してくださった。私の鍼灸に対する考え方を一変させてくださった。それから漢法苞徳塾(現漢法苞徳会)に参加させていだくことになった。最近は弟子入りは時代遅れのように思われているが、良い師匠に付くことができれば、臨床上達の近道になると思う。まぁ、たまには辛いこともあるが…。(笑)

 私が入塾したころの苞徳では『素問』『霊枢』『難経』に基づき、『傷寒論』『温病学』『現代中医学』を学び歴代の医学書を検討されている時で、診断と治則選定、配穴・手技の選択において、共通の結論が出せる方式を追究していた。それは季節の気の特性は、そのまま病因の六気となり、季節の変動と密着していること。それに五臓六腑、経脈の三陰三陽において主治的な枠組みになっていること。これは八木素萌先生の古典の再検討と経絡治療の背景をなしている理論的な見直しの成果が、具体的に反映されているもので、私の治療の主体となっているものである。それを行うためには苞徳の趣旨に従い、

* 臨床カンファレンスのできる力を養おう
* 伝承技術を正しく継承し発展させよう
* 漢法医学に基づく基礎の確かな臨床家になろう
* 古典の確かな読解力を身につけよう
* 広い心と視野とで種々の臨床的手法を把握しよう

以上の5項目を実践し『素問』『霊枢』『難経』に基づき、『傷寒論』『温病学』『現代中医学』をも学びまた日本の漢法鍼灸医学を継承した<基礎の確かな><医の心のシッカリした>鍼灸臨床家を目指している。

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