週刊あはきワールド 2017年2月8日号 No.509

治療家のためのセルフエクササイズ 第10回

水平面のアプローチ(1)

~頚部~

ATC&鍼灸師 山下貴士 


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 動作時に右手と右足が同時に前に出るような動きは、ナンバといわれ、日本の武道や舞踊の中にみられます。ナンバの動きは、身体が安定し、大きな力を発揮できるので、この体の使い方を日常生活や介護などに役立てるような動きも出てきています。治療の時に、意識して使っている先生も多いのではないでしょうか。一方、体をねじるような動きは、時として力が特定の関節にかかってしまうこともあります。不適切な体のねじり方は大きな負担となり、けがにつながることもあります。ねじり動作はスポーツ傷害にも密接に関係しています。例えば、足首の捻挫のことを「足首をひねった」という言葉で表現することもあります。

 しかしながら、特別な場合でもない限り、現代ではほとんどの人が、体をねじって、右手と左足を同時に前に出して歩いていると思います。体をナンバのように使うことは大きな力を発揮することができるかもしれませんが、日常生活では体をねじらずに生活をすることはほとんどないと言ってもよいのではないでしょうか。そのため、体をねじらないように使うというより、正しく体をねじるということが大切かもしれません。正しくねじるとは、「回旋する構造を持った適切な関節が、左右差なく、適切な可動域をもって使われている状態」といえます。

 体をねじる水平面の回旋の動きは、動きの中でも左右差が大きくなるのが特徴です。それは、足関節から第1頚椎まで多くの関節が、水平面の一つの軸上で回旋の動きに関与しているからです。例えば、右足に回旋がみられるときは、股関節が回旋して動きを代償したり、骨盤を右に向け胸郭を回旋したりして、体全体のバランスをとることがあるかもしれません。また、足の回旋を首が左を向く形で、姿勢を代償しているかもしれません。体軸の関節には回旋の可動域を持つ関節がありますが、代償作用はほとんどの場合、頚部、胸椎/胸郭、股関節の回旋の動きが関わっています。

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