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2017年3月15日号 No.514 | |
全力で治す東西両医療 第13回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(2)~医学部5年生三井くんが研修にやってきたぞ~(1)木村朗子(2)三井啓太(3)石川家明 ツイート
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(2)三井啓太:自治医科大学医学部5年 (3)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医療研修の会)代表 2017年2月TOMOTOMOにうれしい出来事がありました。以前から勉強会や東日本大震災支援プロジェクトに参加してくれていた自治医大5年生の三井くんが正規の大学授業の一環として研修に来てくれました。ありがたいことに毎年のように東西両医学の研修に来てくださる医学生がいます。三井くんも先輩方と同様に、連日カンファレンスに実技研修に研修報告にと、とても忙しい中多くの刺激を受けてくださったようでした。今回は実際に行われた研修について、できるかぎり忠実にご紹介いたします。 ■「のどのいがいが」って…2月21日夜に、遠くからクリニックに到着した三井くん、さてどんな研修にしようかと、石川、木村と3人で打ち合わせを始めました。事前に何を勉強したいか尋ねたところ、メールで不思議な答えが返ってきました。「のどのいがいが」「ふつうの病気をかっこよく治せるようになりたい」と、返信がありました。その時はなんともとらえようがないオーダーだと頭をひねったのですが、いらっしゃってからよくよく話を聞いてみると、その希望には理由がありました。あるところの実習で「のどのいがいが」を訴える老女や、全体の30%をしめる整形外科的愁訴のうち一番多かった膝の診療に、彼なりの不満があったのでした。さらに、精神科医療にも興味がある彼は、訴えを「得体が知れない不定愁訴」とされてしまう、西洋医学的には病態理解をしにくい患者さんにも、東洋医学でなにかできるのではないかと、踏んでいたようです。 学生の間からよく見てよく考えているなあ、と思いました。このあたり、なかなか良いセンスだと思いませんか? ■テーマは“かっこよく”3人で相談して、感冒の漢方薬が考えられる、膝の診察ができるようになるなど、三井くんの希望を入れた実習プログラムを組みました。また、「得体が知れない不定愁訴」を訴える人が運よく来院したら予診を三井くんにしてもらい、一緒に考えることにしましょう、としました。そして、テーマのほかに三つの目標に決まりました。
三井くんの「かっこよく」に彼の理想や未来へのあこがれが、よく表れています。その力を引き出すために、私たちTOMOTOMO も全力で向き合わなくてはいけません。さて、怒涛の日々が、始まります。 ■はじめてのぎっくり!三井いててて。石川どうしたの? 三井人生で初めてぎっくり腰をしてしまって…。 石川それはそれは、どうして? 何かきっかけがありました? 三井前の研修先で、皆さんと一緒にヨガをしていて…ぐきっと。 石川どんなポーズ? 三井背臥位で足を上げて、頭の向こう側に持っていこうとする動きで、ぐきっと。 石川体はやわらかいほうなの? 三井いや、すごく硬いです。 木村前屈、できる? 三井前屈は床に届きません。ほら、こんなに、あ、いててて。 石川それなのに、そんなポーズするから! 体重がかかってしまった分、無理に伸ばしたんだね。向きが違うだけで、前屈とさっきのヨガのポーズは同じ動きだとわかりますか? それにハムストリングスがとても硬いんですね。 三井あ! 本当だ! 同じポーズだったんですね。 石川どのあたりが痛むのかな? 本当に腰? 三井結構上の方です。ここは、背中? 腰? 石川ああ、だいたい思った通り、このへんでしょう? 三井そこです!! そこそこ! どうしてわかるんですか?! いたいー! 三井くんは、体がかたく、前屈で手が足のつま先に届きません。Finger-Floor Distance(以下FFD)は20㎝ほどあります。しかし、臥位で足を上方に上げ、頭の方に移動させると足の重みをかけて前屈と同じ姿勢を強制する形になります。Th7〜10のレベルで脊柱起立筋の圧痛が著明です。痛みのためか側弯にもなっています。鍼治療を行いました。 三井研修一日からかっこ悪いです。ところで、ぎっくり腰は何回ぐらい鍼治療すると治るのですか? 石川このような筋・筋膜性のぎっくり腰は1~3回でたいてい治るものです。どんな難しい慢性の筋・筋膜性腰痛でも10回以内です。それ以上かかれば非特異的腰痛ではなさそうだと推論できます。 三井治療の回数は、スクリーニングにもなる? 僕は何回ぐらいの治療の見込みですか? 石川ええ、スクリーニングにもなります。三井くんの軽いぎっくり腰は1~2回で治ります。でも、原因は固いハムストリングですから、痛みを止めるだけではなく、腰痛再発のためには自分で行うストレッチが必要です。 三井わかりました。 他の医療者に鍼灸の良いところを知ってもらうことは大切な「教育」だと思います。それも、自らが体験してくれると鍼灸に対する偏見がとれて、喧伝してくれる仲間になり、ひいては、東洋医学全体が医療の仲間に広がっていくでしょう。 (続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます) |
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