週刊あはきワールド 2017年3月15日号 No.514

【新連載】マッスル鍼法実践コラム 第1回

実技のエビデンスに挑戦する

あんしん堂鍼灸院院長 宮村健二 


〔ご案内〕

 マッスル鍼法については、偶数月の第3水曜日号に「マッスル鍼法へのいざない」と題して、マッスル鍼法を系統的に紹介しています。現在は、「筋群触診マップで学ぶマッスルの鍼」を連載中です。

 そこで、空いている奇数月にマッスル鍼法を巡る時々の話題をリアルに取り上げ、「マッスル鍼法実践コラム」としてお届けすることとしました。このコラムは柔軟に徹し、例えば読者の方々のマッスル鍼法体験記なども取り上げて楽しいコーナーにしてゆきたいと考えています。ご期待ください。

〔エビデンスってなあに〕

 エビデンスは、Evidence Based Medicineというのがフルネームで、EBMと略称されています。証拠に基づいた医療という意味で、勘や経験に頼った医療から脱却し、臨床研究の最新情報をもとに、患者一人一人に最も有益で害のない治療法を選び出す手法と説明されています。

 筆者は、マッスル鍼法を紹介するに当たり、その中核となる実技として、「両手刺手管鍼法」を考案したと報告してきました。その特徴として、無用の刺鍼感覚、すなわちノイズが少ないこと、斜刺を実施した場合、角度の誤差が小さいことを上げ、推奨してきました。しかし、それらは筆者の主観を根拠とするもので、勘や経験の域を出ません。これを誰もが認めるエビデンスとするには、それを実証するための客観的実験が必要なのです。

〔どんな風に実験したか〕

 実験は、昨年(2016年)8月に直刺、10月に斜刺を取り上げ、実施しました。どのような考え方に基づいてこの実験計画を進めたか、ありのままにお伝えしてみます。

 被験者は、鍼灸師養成学校(石川県立盲学校理療科)の教員10名としました。実験の趣旨を理解し、同意書を提出した者について、刺鍼が健康被害に繋がる恐れがないこと、知覚鈍麻・知覚過敏などの知覚異常がないことを確認しました。性別は男8名、女2名、年齢は31歳~68歳、平均52.3±10.6歳、鍼師歴は3年~48年、平均24.0±14.8年です。

 刺鍼部位は左右の下腿前面としました。

 刺鍼の内容は、両手を共に刺手とし押手をしない両手刺手管鍼法(以下、Aと略)と従来の管鍼法(以下、Bと略)により、深度2cmで、A・Bそれぞれに直刺10鍼・斜刺10鍼を行いました。
 

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