週刊あはきワールド 2017年3月8日号 No.513

鍼灸学生の研修奮闘物語 File.9

Student.SeのBSL(Bed Side Learning )Diary(9)

~TOMOTOMO研修の1年間を振り返って~

鍼灸学生3年 平岡遼 


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 2月25日~26日に行われた第25回あはき国家試験を受けて参りました。合格率が3年連続減少してきていることに加え5年サイクルで難しい年が来るとの下馬評通り、今年のはり師きゅう師の問題は骨のある問題が多かったように思います。体感的には今まで受けてきた模試に比べると確信が持てない問題が多く、精神的に大変な戦いでしたがなんとか最後まで戦い抜くことができました。私の学校の先生も、例年にないほど新出の単語が多い印象を受けたとおっしゃっていました。これで「Student.Se」でいられるのも残り1カ月となってしまいました。ここで1年間のまとめをしたいと思います。

■鍼灸学生研修制度との出合い

 本原稿で大変お世話になっている石川先生と木村先生の下で研修させていただくようになって1年が経ちましたが、私が初めに出会ったのは2015年9月の中医学会にて学生としてスタッフのボランティアをさせていただいていたときでした。私の担当した小教室では、いろんな先生が講義をしたり質疑応答で熱い議論を交わしていたりしたのですが、そのとき最も刺激的だったのが石川先生と木村先生の講義でした。

 関節痛の診方についての講義だったのですが、「本当にそれは関節の痛みか?」「関節であれば急性か慢性か、単関節か多関節かがわかれば鑑別は絞られる」という内容で、オンセットと障害関節数によって西洋的な鑑別の疾患順位があり、覚えてさえいれば容易に推論ができるということを聞いたときは衝撃的でした。さらに、痹症の弁証も西洋医学同様に理路整然と臨床推論ができることも私には驚きでした。東洋医学も西洋医学もその間に何も障害がなく、軽やかに行き来する両先生の講義をもっと受けたいと感じたのでした。

 それから3カ月後の12月に毎月品川で両先生が行っている勉強会に初めて参加し、その月にBSLに入らせていただき、翌2016年の春休みにもBSLに入り、4月から正式に研修させていただけることになりました。

 そこから鍼灸学校3年生の1年間が怒涛のように過ぎていきましたが、ここで総括としてその内容を振り返ろうと思います。私の1年の振り返りを書くことで、いま鍼灸学校の学生の方たちも、どういう勉強をしたらいいのか、考えの一助になればと思います。

■1年間でやってきたこと

 まずは自分の頭を整理するためにも、この1年でやったことをまとめてみます。
・週1~2回(中長期休暇の間はほぼ毎日)のBSL
・被災地での2泊3日の医療相談&鍼灸ボランティア
 大槌町(岩手)3回、西原村(熊本)2回、相模原日帰り4回
・TOMOTOMO勉強会や外部の勉強会への参加
・外部向けの発表(講習会や学会)
 16年5月膝の触診、6月腰の触診、10月被災地の東洋医学的分析、
 17年5月プライマリ・ケア学会
・あはきワールドでの執筆

 ほぼすべてTOMOTOMOの企画です。本当に鍼灸師のための研修施設なのだと感じます。沢山のことをやらせていただきましたが、大事なのはインプットだけでなくアウトプットも多く経験させてもらったことだと思います。ものごとを学習するにあたり、アウトプットすることが重要だということがよくいわれますが、実際にやってみるとアウトプットするにはその何倍ものインプットが必要で、アウトプットの意識があるとインプットも効率が上がるように感じます。すべてインプットした後でアウトプットしたいと思ってしまいがちですが、それでは遅いのだと思います。さて、上に挙げたものを大きく「外向けの発信」「臨床現場」の2つに分けて、インプットとアウトプットをする中で学んだことをまとめていきます。

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