週刊あはきワールド 2017年4月26日号 No.519

治療家のための薬の基礎知識 第4回

薬の副作用 その1

~副作用とは何か・副作用の原因~

千葉大学医学院和漢診療学非常勤講師 和光治療院・漢方薬局 平地治美 


●副作用とは何か

 日本においては副作用という言葉は悪いイメージで使用され、薬事法においても副作用という用語は薬物有害反応の意味で使うとされています。

 しかし、本来の意味での副作用 「side effect」は、病気を治す「主作用」に対し、それ以外の別の作用のことを指して言います。主作用に対する言葉が「副作用」ですが、本来の副作用には良いも悪いもありません。

 あはき師の皆さんも、肩こりの治療をしていたら、肩こりばかりか頭痛、目の疲れ、イライラなどの精神症状もついでに治ってしまった、というような経験があるかと思います。肩こりが治ったことが治療による「主作用」だとすると、それ以外の症状の改善は「副作用」ということになります。

 英語では「副作用」と「薬物有害反応」を以下のようにはっきり分けて表現します。

①副作用(side effect)…….病気の治療目的以外の作用
②薬物有害反応(adverse reaction)……薬物による有害な反応

 日本においてはこの2つどちらに対しても副作用という言葉が使われます。薬事法では副作用という用語は2番目の薬物有害反応の意味で使うとし、薬が使われたことで生じる不都合な出来事を有害事象としています

 たとえば、花粉症や鼻炎に使われる抗ヒスタミン薬は、アレルギーなどによって生じるヒスタミンの分泌を抑えて鼻水を止めます。それと同時に眠気を催すという副作用があります。眠気は車の運転や高所での作業などにおいて事故につながりかねない、都合の悪い「副」作用です。しかし、眠りたい人にとっては好ましい「主」作用ということになります。服用する側の都合で主作用にも副作用にもなりうると言えます。

 そして薬は私たちの体に何かしらの作用を行うため、「副作用がない」ということは「薬としての効果もない」ということを意味しますし、この世に副作用のない薬は存在しないということになります。

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる