週刊あはきワールド 2017年6月21日号 No.526

全力で治す東西両医療 第16回

ともともクリニック全力カンファレンス中継(5)

~風のように颯爽と感冒を診られる医療者になりたい~

 (1)木村朗子(2)三井啓太(3)石川家明 


◎第14回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(3)
      ~三井くんが研修にやってきたぞ、君はかっこいい~
      (木村朗子・三井啓太・石川家明)
◎第13回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(2)
      ~医学部5年生三井くんが研修にやってきたぞ~
      (木村朗子・三井啓太・石川家明)
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(1)木村朗子:ともともクリニック院長
(2)三井啓太:自治医科大学医学部5年
(3)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表

 自治医科大5年生の三井君の研修も後半に入って来ました。テーマは膝から感冒に移ってきました。西洋医学の現場では、膝も感冒も日常診療にとても多い疾患です。大学病院や外部の関連診療所で研修を受けている三井君はこれらのよくある日常病診療にひそかな思いがあるようでした。先輩達の診療に物足りなさを感じているようでした。自分は将来もっと膝痛も感冒も「かっこよく」診られる医師になりたいと心にきして、東洋医学を学びに来ています。

■きのう徹夜で勉強しました

三井昨夜は先生達が「若手医師のための家庭医療学冬季セミナー」(第11回、2016年2月)で発表した『カゼの漢方薬をちゃんと選べるようになろう』の録画を3回見ました。

石川ホント? いや~、すごい根性ですね。

木村三井君、よく頑張りましたね。このセミナーの時は参加者の皆さんがたくさんある講座のなかで応募してくれるか心配でしたが、まったくの杞憂でした。かなり早く受講希望者で埋まってくれました。

石川今年5月に高松で行われた第 8 回日本プライマリケア連合学会学術大会でのワークショップ「これで使える!はじめての円皮鍼」もあっという間に埋まってくれました。みなさん熱心でしたね。

木村若い医師を中心に、東洋医学を学びたい医療者は確実に増えて来ていると肌で感じる経験です。

三井カゼに抗生剤を使うのを止めましょうといった矢先に、それではどうしたら良いのかのひとつの答えが東洋医学ですね。西洋医学の医療機関全体でみれば、漢方薬の出番ですが、鍼灸はカゼにはどうなのでしょうか?

石川三井くん、研修していてどう思いましたか? かなりの日常病をもった方々が、腰痛・肩こりばかりではなく、鍼灸治療を求めて来られていたでしょう。カゼも同様です。

三井たまたま今回は鍼灸研修でカゼの患者さんに出会えなかっただけですか。でも、そう言えば、岩手県大槌町災害ボランティア時に、石川先生が「カゼ引いたあ」と言って鍼灸治療を受けていましたね。

■鍼灸院にカゼ患者がきたら認められている証拠

石川僕が若い頃の言葉に「鍼灸院にカゼ患者がきたら認められている証拠であり、五十肩を治せたら一人前」というのがありました。よく考えると意味深の含蓄ある言葉だと考えられます。

三井コモンな病気、生活の中の医療というイメージがあって、こんな医療者になりたいです。カッコいいと思います。(笑)

石川鍼灸でも、漢方でも、カゼの治療に有効です。両方やるとかなり有効ですよ。

三井漢方のカゼ診療の考え方と鍼灸の考え方と違うものなのですか?

石川いいえ、実は同じなのです。逆に、漢方を出す治療家は鍼灸の経絡を知らないと本当は処方できないのですよ。感冒の三陰三陽は、厳密に言うと傷寒の病期にあたる三陰三陽ですが、この考え方は明らかに『素問』『霊枢』から来ているのです。しかし、漢方の古方派は経絡や陰陽理論を無視しているのに、『傷寒論』を信奉しているので書いてある「三陰三陽」を信じている。すごい矛盾行為です。

三井あれぇ、そうなんですか。あの「太陽期」「少陽期」「陽明期」という病期の考えですね。

木村あの時代にステージや病期を考えていたのですから、先駆的な考えですので認めた方が、今の人達に自慢できると思うのですが。

石川だから、鍼灸のいわゆる「古典派」の一部が、漢方の古方派と仲好しこよしに、とっても違和感を覚えています。存在を否定されているので、一緒に酒飲むな!

木村仲が良いことは、良いことですよ、先生!

石川やっぱし、そうですよね。(笑)それに、張仲景自身の序文<傷寒卒病論集>にも『素問』等を参考にして書き上げたことや経絡経穴に言及しています。さらに興味をそそるのが、現在我々が手にしている『宋版傷寒論』にある趙開美(明の時代)の序には、「今時の医者は李東垣や朱丹渓ばかり読んで、それ以上の古書や『素問』『霊枢』を読まない、だからこの書を復刻発刊する」ともうほとんど怒っています。

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