週刊あはきワールド 2017年6月21日号 No.526

在宅ケア奮闘記 その126

看取りのMさんが脱走する?!

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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 Mさん、89歳女性。認知症がある。腰と膝が痛く歩きにくくなった2年前に右の股関節頚部骨折をした。治ったかなと思ったら、今度は左の股関節頚部骨折をした。

 その段階では体力低下、体調不良、食欲不振、下痢が頻繫にあって出血もあり、脱水状態になり、もう看取りの状態になってしまった。病弱な娘と二人暮らしで施設に入ることは拒否したので、自宅で最期を過ごすことになった。

看取りが始まって2年…

 訪問医療を行っている医師と契約が交わされた。「自宅で看取りを行う」という契約書である。積極的な医療は今後行わない、という趣旨が書いてある。

 Mさんは阿倍野の公営住宅で住んでいた。プライバシーを大切にしようという施策で建てられた住宅で、1階4階7階10階14階にしかエレベーターが止まらない。だから、それ以外の階の住民はエレベーターのある階から自宅のある階までは専用の階段で上り下りをする。

 Mさん宅は5階。だから、Mさんは自力では家から出ることができない。玄関開けたらすぐ階段。病院へ行く際にはヘルパーさんに抱っこをしてもらって階段を降り、車椅子に乗せてもらってエレベーターに乗って外出する。

 2年間ほとんど外出せずに過ごしていたMさん。その間、小康状態がずっと続いていたが、看取りにならずに生きている。

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