週刊あはきワールド 2017年7月12日号 No.529

治療家のためのセルフエクササイズ 第15回

人の根本エクササイズとしての足裏刺激

ATC&鍼灸師 山下貴士 


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人の進化の歴史と足裏刺激

 人は今から650万年前に二足歩行を獲得した、と言われています。そして、約250万年前に氷河期が来て食糧不足になり、食べ物を探してより長い距離を歩くことが求められました。その後、約1万年前に稲作が始まり、歩く距離は減ったものの、歩行を中心とした肉体労働は生活を支えるために必要でした。体もこれらの生活スタイルに合わせて進化してきました。ところが、約250年前にイギリスで産業革命が起こると、交通機関などの発達に伴い、人は極端に体を使うことが少なくなりました。さらに、近年のIT技術の進歩による座位中心の生活スタイルが、肉体労働の減少に拍車をかけているのは、記憶に新しいことと思います。

 人の進化の歴史からみて、近年の生活スタイルの変化はあまりにも急激です。この変化に体が適応していくことができずに、生活習慣病や整形外科的疾患だけにとどまらず、睡眠障害やうつ病など、多くの疾患が生まれてきています。

 これらの疾患の改善に対しては、当然、体をよく使うライフスタイルや運動が求められています。しかし実際には、運動する場所、時間の確保、運動の方法など、多くの障害があり、運動が習慣化しないのが実情ではないでしょうか。そこで、根本的には、どこに焦点を当てたエクササイズが有効かを考えてみることが、大切です。

 人の進化の歴史から見ると、歩くことが一番良いエクササイズと考えられますが、中には、外反母趾など痛みの問題で歩くことができない方や、環境などさまざまな問題で歩くことができない方もいるかもしれません。治療家の中にも、歩く時間が取れないと悩んでいらっしゃる方もいるのではないでしょうか。そんな時は、まず歩行の代わりとして、歩行で使われる体の部位を集中的に刺激してみることから、エクササイズを始めてみることができます。その部位とは、足の裏です。

 足の裏は、運動のみならず、立位の時に必ず使われる重要な体の部位です。人が二足で動いている限り、足の裏は、多くの刺激を体に送っています。歩く機会が少なくなるというのは、足裏への刺激が少なくなるということでもあるのです。

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