週刊あはきワールド 2017年7月12日号 No.529

『難経』私考 その58

虚実と補瀉

欅鍼灸院 名越礼子 


◎その57 五輸穴の主治
◎その56 兪募穴
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69難は虚実と補瀉についての基本理論を記述

 69難は、虚には補法、実には瀉法という治療における基本理論を述べていますが、ここでは、その治療法として、五行理論を用いた母子補瀉(補母瀉子)を展開しています。

 虚実とはどういう状態をいうのでしょうか?

 いわゆる虚とは、正気の不足であり、臓腑機能が減退している状態です。正気には、気、血、精、神それに臓腑の生理機能の働きなどが含まれます。これらは人体を保護し各種の病原要素から人体を防衛し、人体の正常な新陳代謝の働きを維持し、人体の成長・発育を促進する働きをしています。人体の正気が不足すると、抵抗力が低下し、臓腑の機能活動が減退して病理現象が現れます。このような状態を虚証といいます。

 いわゆる実とは、邪気の実を指しています。邪気が有余になっていると、臓腑の機能活動は亢進します。邪気には、六淫、七情、痰飲、瘀血、飲食労倦というような病原要素が含まれます。邪気が体内に停溜すると、正気と抗争が起こり、正邪の抗争が激しくなると、臓腑の機能は亢進して、臨床上病邪が隆盛することによって起こる病理現象が現れます。この状態を実証といいます。『素問』通評虚実論に「邪気が盛んであれば実、精気が失われるなら虚」といっています。
 

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