週刊あはきワールド 2017年7月19日号 No.530

在宅ケア奮闘記 その127

認知症のKさんを介護する認知症の妻が大脱走?!

訪問リハビリ研究センター代表  西村久代 


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 Kさん、80歳男性。妻と二人暮らし。認知症があり、糖尿病がコントロールできずに体のいろいろな部分に支障をきたしている。特に腰と膝が痛く、歩くことができない。座位保持からポジショニングバーを利用してポータブルトイレへの移動はできるが、他の移動はすべて車椅子で行っている。

 Kさんには、ADL訓練をする前に動きにくくなっている関節を動かす。筋力低下・血行不良になってしまっている下肢の筋肉に基礎的マッサージや刺激をふんだんに与えなくてはならない。踏ん張る力をこれ以上低下させるわけにはいかない。日々格闘の毎日である。

Kさん家を訪問するも、中に入れてもらえず

 この前、Kさんを午後に訪問した。中にいる気配はある。いつもなら奥さんがカギを開けてくれるが、この日は呼び鈴を何度押してもドアが開かない。電話をしても誰も出ない。「Kさん」と呼びかけると、中で声がする。クーラーの室外機は暑い風を吹き出している。どこに行くこともないだろう。しかし、どれだけ待っても奥さんは出てこない。

 ケアマネジャーに電話した。「随分待ちました。電話もしたけれど、中でベルが鳴るだけで誰も出てくれません。いつもは必ず奥さんがいるのに、今日はいないようです。ご主人はいると思います。自転車がありません。ドアの鍵がかかっていては入れないので、本日はキャンセルにします」。

奥さんがいなくなった!

 夕方、ケアマネジャーから電話が入った。

ケアマネ:「奥さん、まだ帰っていない。ご主人の昼の食事をさせたのかどうかが分からない。3時半に安否確認を条件とした配食弁当の受け取りができていない。今はもう5時なので、これから警察に捜索願を出しに行ってきます。何か気づかれたことはありませんか」

:「私は1時に行きました。その時、奥さんの自転車はありませんでした」
 

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