週刊あはきワールド 2017年9月20日号 No.538

【新連載】臨床に役立つツボの話 第1話

気至るツボ“太白”

日本伝統鍼灸学会相談役 首藤傳明 


ツボ治療だといい治療成績は上がらない

 「つぼ」とは何でしょう。経穴。経脈上に顕れた反応点と定義できます。はっきりしましょう。ポイントですが、ポイントではないのです。経脈があるのです。なぜ、ややこしいことを言うのか。最近、ツボ療法が云々され出したことに対する危惧です。鍼灸医学は経脈から成るのです。大事な基本を忘れては困ります。このシリーズもツボを狙っているのでしょうが、基本を忘れては困ります。うるさいことですが、もう一度、ツボ治療ですといい治療成績は上がりません。

 と、基本を押さえたうえで、ツボのお話に入ります。この原稿は学生さんまた、開業5年ぐらいの先生方に捧げます。それ以上の方は読まないほうがよい。理由は? さあ。でも、読みたい? じゃあ、どうぞ! 悪酔いしても責任はとりませんぞ。

少ないツボを上手に使うのが秘訣

 ツボの数はいくつですか。1年365日にちなんで365穴とか。古典の書によってはばらつきがありますが、おおよそ、そのくらい。奇穴という勝手につけた名前のツボもあります。これは数しれず。私も勝手に命名して発表したものもありますから、数知れずとなります。結論から言えば、無数にあるといっていいでしょう。

 では、無数にあるツボを全部縦横無尽に使う術者がいるかといえば、断言できませんが、ノーでしょう。特定のツボを多く使うのです。私の場合は150くらいでしょうか。その中でも特に多く使うのはまた絞られてきます。何故か。頭が悪いので少ないものを上手に使う、これが秘訣です(それほどのものでも)。だから頭のいい先生は多くのツボを使うことになります。

4蔵の長、脾蔵とそれにまつわる症例

 さて、人は五蔵(六腑)と経脈からなっています。五蔵で一番だいじな蔵はなんでしょう。そうです、心蔵です。心蔵はすべてを支配します。心蔵が止まれば万事窮すということを古代の人は感じていたのでしょう。あとの4蔵で大事なのは何でしょう。古代の中国人は脾蔵だと思ったのです。食欲がないと病は治りにくい、難病でも食欲があれば、治療成績はよくなることからの結論でしょうか。だから4蔵の長といっています。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる