週刊あはきワールド 2017年10月18日号 No.542

在宅ケア奮闘記 その130

軽い認知症のあるTさんの悩み事に悩んだ私を救ってくれたケアマネの一言

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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それはニキビじゃないですよ、吹き出物

 「先生、便が出へんねん。だから、ほっぺたに大きなニキビができてしもうてん」

 この間まではなかった大きな腫れ物が頬にできている。1円玉ぐらいの大きさで山になって地腫れしている。赤黒い色で噴火しそうになっている。患者さんは便が出ないからだと思っている。

 「食べるのが辛いし、しゃべるのも辛い」。でも、よくしゃべる。

 便は1週間ほど出てないと訴える。薬も出してもらっているが、うまく調整ができないらしい。寝てばかりいるので腸の動きも悪くなっているのだろう。胃の摘出手術をしているし抗癌剤も飲んでいるようなので、不調になるのも頷ける。

 「一つ教えておきますが、この歳でニキビとは言いません。吹き出物です」

 「何言ってんねん。ニキビや。思われニキビや。大きくて痛い。便秘が酷いからニキビが出るねん。先生、治してーや」

 按腹をした。腰をマッサージしていると大きなおならが出た。少し腸が動き出したようだが、臭い。

 「先生ゴメン。おならが出てしもうたわ。先生は何でも治せるんやなぁ。最近、懐が寂しくてあかんねん。ついでにこれも治してぇな」

 煽てているのか、少しバカにしているのかよくわからない人を食った口だけ達者なおばあさんだ。

寝たきりのTさん、伝い歩きができるようになったが…

 Tさん、88歳女性。5年前に腰の圧迫骨折。3年前に右の大腿骨頚部骨折で人工骨頭に置換手術をしている。最近になって胃癌が見つかり、大きな手術をした。少し認知があるが独居生活をしている。近くに住む義理の息子夫婦が時々世話をしているが、口が悪く好かれていない。息子の嫁が嫌々世話をしている様子である。
 

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