週刊あはきワールド 2017年11月15日号 No.546

臨床に役立つツボの話 第3話

手こずった症状が曲泉付近で奇効を奏した数例

蓬治療所所長 戸ヶ崎正男 


◎第1話 気至るツボ“太白”(首藤傳明)
 
 切経探穴時、大事なことはいろいろあるが、その中で“姿勢”、“方向”、“適圧”は活きたツボを捉えるときに非常に重要な三要素である。“姿勢”はツボを取るときの被術者の体位であり、“方向”はツボを捉えるときの手技の向け方であり、“適圧”はツボの形態特性と反応特性を捉えるためにちょうど良い圧のことである。簡単に言えばこのようになるが、詳細は拙著『思うツボ』を参照されたい。

 今回はこの中の“姿勢”を取り上げ、手こずった、膝関節痛、不正出血、腰痛について述べる。

<その1 切経探穴の姿勢の重要性を痛感した膝関節痛>

 もう9年前になるかと思うが、高齢のご婦人(1931年生まれ、当時77歳)が左膝痛で来所される。その約1年前から左殿部、股関節部の疼痛で整形外科を受診、検査では腰椎の異常なし。整骨院等で電気治療やマッサージを受けていた。しかし、改善はみられず今に至っているという。

 身長144㎝、37キロと小柄、子供の頃は虚弱体質、10歳の頃リウマチに罹ったとのこと。治療を始めて1カ月後6回の治療で左殿部、股関節部の疼痛は緩解するが、左膝の痛みに関してはあまり変化がみられない。今まで腰殿部、股関節部及びそれと関連する異常なツボの中で、虚系のツボであるⅣ型類(*1)を中心に全体治療(棒灸、透熱灸:身柱、命門、下命門(下極兪))と部分治療(棒灸、透熱灸:下志室、秩辺、京門、右太渓、鍼:右風市ライン上、左光明、右環跳、その他、頚肩部肩甲患部のこり等に数穴)を行ってきた(*2)。というのはそれにより膝の痛みも自然に治ることを期待していた。

 その後、膝によく用いるツボ(透熱灸:三里、梁丘、鍼:左陰陵泉等)も加えて6回治療するが、顕著な効果がない。瞬く間に1カ月が過ぎてしまった。
 

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