週刊あはきワールド 2017年11月15日号 No.546

全力で治す東西両医療 第19回

ともともクリニック全力カンファレンス中継(8)

~実習に出た医学生からのメール症例相談~

 (1)木村朗子(2)石川家明 


◎第17回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(6)
      ~うんこドリルから、経穴効用(穴性)の解析手法を考える~
      (木村朗子・三井啓太・平岡遼・石川家明)
◎第16回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(5)
      ~風のように颯爽と感冒を診られる医療者になりたい~
      (木村朗子・三井啓太・石川家明)
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(1)木村朗子:ともともクリニック院長
(2)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表

 東洋医学を勉強に来てくれる医学生も上級学年になると病院実習が始まります。医療者として最初のデビュー戦、いろいろな患者さんと出会い、いろいろな思いを抱きながら医療人として成長していきます。その中でも東洋医学を「覚えてしまった」彼らは、また普通の同級生と一歩違った医療学生として育っていきます。なかには西洋医学では難治な症例に出会うと、鍼治療や漢方をすればいいのにと悔しい思いをすることも多々あるようです。

 さらに、私達にうれしいことは病院実習先で体験した気になる症例や、腑に落ちない症例の相談を持ってきてくれることです。今回はメールで中年男性の右季肋部の謎の痛みの相談でした。みなさんと一緒に「どう考えたらいいの?」の症例を紐解いていきたいと思います。

■医学生はなぜ鍼灸医療の勉強に来るのか

木村時々、ともクリキャンプなどにお出でになった先生方や医学生から、後日質問が来るとうれしいですね。

石川昔はFAXですが、最近はもっぱらメールですね。

木村やはり、一番多いのは医師ならば自分の患者さんの相談ですね。医学生は病院研修が始まったころの疑問点でしょうか?

石川臨床って、机上の勉強とは違うから、かなり真面目で真摯なメールが多いですね。

木村ええ、人生初めての衝撃的な話もたくさんあって、それは、それは、誰かに相談したくなる事件も起きてきます。

石川ええ、夜中に電話が掛かってきたことも何人かいます。

木村ハハハ、私もそうでした。当時は大変お世話になりました。後期研修医のころでしたっけ?

石川たぶん、そうですね。

木村私も打ちのめされた事件があって、思わず時間も顧みずにお電話で相談してしまい、申し訳ありませんでした。

石川ぼくはいつも思うのですが、西洋医学だけでも大変なのに、東洋医学まで学びたいとうちに来る医学生や医師はすばらしい人達が多く、問題意識も大変高く尊敬しています。

木村私はそんな大したもんではなく、友人が東医研を立ち上げるのに人数が足りなく、名前を貸しただけでした。

石川いやいや、きっかけはどうあれ、今では東洋医学を広めるためにご尽力いただいています。そればかりか鍼灸師の教育にも精力的に取り組んでもらって、本当に感謝申し上げます。

木村何よりも、患者さんのためにもっと医師達が真剣に鍼や漢方を正当に評価しなくてはいけないと思うからです。一方で鍼灸師さんたちは治療効果に甘んじることなく、医療の現場でもっと認められるように努力をしてほしいと思います。

石川ともあれ、私達のところに勉強にくる人達はちょっと変わった人か、真面目な人たちが多いですね。先生は両者ですが、多くは後者です。

木村ハハハ、確かにそうかもです。でも、いつも先生はそのことを患者さんにもお話されますね。

石川ええ、医大生達は20歳前後で、ですよ。ものすごく勉強量の多い中、あえて鍼灸院に来て、東洋医学の門を叩くのですよ。どうして、臨床もまだ知らない時に、東洋医学に目を付けるのが不思議でした。人生に真っ正面から取り組んでいる人達だなと見受けられ、使命感が強かったり、人格者だったりしていましたから、東西両医学研修を始めた16年前頃には、何しろ優れた若者達に驚きの連続でした。

木村でも、医学生や医師が全部そうではありません。

石川少なくとも東洋医学を勉強に来る人達は医療に対して真摯な人が多いのは事実です。

木村患者を少しでも良い状態にしたいと真剣に取り組んでいる人達と言っていいですものね。

石川自治医科大学生がこの研修会のスタートから伝統的に多いのですが、彼らは卒後9年間、過疎地や島での医療が義務づけられています。その沖縄の学生が将来の参考のために北海道の島嶼医療を見にいったのですが、偶然訪れた3島のうち2島でそこの島医者が鍼治療をしていたと報告してくれました。それを聞いてたいへん驚いたのを覚えています。

木村かなりの確率ですね。離島では鍼灸治療が必要なのですね。

石川日常病に東洋医療が欠かせないという良いエピソードです。

木村漢方はたくさんの生薬が必要ですが、鍼灸はほんとうに簡便でどこでもできるという他の医療にない長所がありますね。

石川20歳前後の彼らが、将来自分たちの医療に東洋医学が必要であると、どうして分かるのだろうか? すごい勘だと思うのですが、同時に物事を、この場合は医療ですが、深く考えているからだと思うのです。

 さて、そのうちのお一人からきたメールを紹介して、この症例を考えていきたいと思います。

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