週刊あはきワールド 2018年1月17日号 No.553

治療家のためのセルフエクササイズ 第21回

呼吸と姿勢の相関とエクササイズ

~その1~

ATC&鍼灸師 山下貴士 


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 私たちが、人々の健康を支えようとしたときに、まず根本的に考慮に入れたいことが二つあります。この根本的なこととは、呼吸と姿勢です。これらの条件が整わなくては、細かな部分をいくら調整しても、うまくいかないことがあります。

 呼吸は、いうまでもありませんが、酸素という栄養を体に取り入れ、二酸化炭素という老廃物を体外に排出する役割を持っています。人が生きている限り、絶えず続けていることが、呼吸です。心身相関などとも言われますが、呼吸はその最たるものではないでしょうか。体へのストレスやリラックスは言うまでもなく、心の乱れも、落ち着きも、呼吸の状態として反映されます。心身の状態が良いときには、深く静かな呼吸をしていますが、緊張や不安などの精神的な負荷、または身体的な負荷がかかったときには、呼吸は浅く短くなります。

 姿勢もまた、心の状態を反映していることがよくあります。気分が落ち込んだときには、うつむき加減に背中を丸まることはよくありますし、上機嫌の時には胸を張って背筋の伸びた姿勢をしているのでないでしょうか。そして日本語では、姿勢という言葉は、体の見た目という意味だけでなく、「物事にも向き合う心構え」という意味も持ち合わせていることからも、姿勢と心の関係が理解できます。ちなみに、英語では体の姿勢をPOSTURE、心の姿勢をATTITUDEといいます。日本人は伝統的に西洋人と比較して多弁ではありません。一般に日本人は、口で言い表す表現を好まないために、体を使い、心を表すという文化が発達し、姿勢という言葉に現れたのかもしれません。

 目は心の鏡ともいわれますが、呼吸と姿勢も、心をうつすことができるのです。

 呼吸と姿勢は、どちらも体と心の状態を表すので、呼吸と姿勢の間にも深い相関関係があります。呼吸が乱れているときには姿勢が乱れ、呼吸が整っているときには姿勢も整っています。これは、良い姿勢の状態で呼吸したときと、崩れた姿勢で呼吸をしたときの違いを比べてみると、よくわかります。良い姿勢の呼吸の方が、空気が無理なく肺に入っていき、楽に吐き出せるのが体験できると思います。

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