週刊あはきワールド 2018年3月21日号 No.562

臨床に役立つツボの話 第7話

大椎穴から授かった転機

大阪漢方鍼医会 森本繁太郎 


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はじめに

 私が古典鍼灸の扉を叩いた頃の話です。「ツボとは効くものではない。効かせるものだ」という大家の言葉を聞いたことがありました。

 「へえー、ツボとは、古典鍼灸の治療とはそういうものか、そういうものなのか」と何やら妙に腑に落ちたことを今でも覚えています。

 しかし、臨床家が効かせようとすればするほど効果が出ないのも、ツボというものの特性ではないでしょうかね。

 生活の手段として仕方なく選んだものの、その頃の私は基本的に東洋医学という世界をほとんど信用してはいませんでした。西洋科学に根ざした教育だけを受けてきた人間としては、当然だと思います。したがって、ツボや経絡の働きなど、机上の空論ぐらいにしか思っていませんでした。まさに、もの知らずの上に勉強が嫌いな人間の、陥りやすいパターンですね。

 今回は、数少ない経験の中から、私がツボと経絡について特に印象的だったことを少しだけ書かせていただきます。

1.圧痛点

 ご存知のように、内臓の病気や神経痛等の際に、体を指先で押すと強く痛みを感じる点のことですが、ツボもこれとイコールだと完璧に思い込んでいた時期がありました。したがって、患者が痛がる場所を一生懸命探して、そこに毫鍼をぶすぶす刺すことをしていた時代もありました。「えっ、治療結果ですか? そりゃあ、散々でしたよ…」。

2.経穴

 『霊枢』九鍼十二原篇には、「経穴は神気の遊行出入する所なり」とあります。つまり、経絡上における気の門戸のことですね。

 これは、私が経絡治療をやり始めた頃に覚えたツボの定義です。圧痛点とはどこか違うなーという印象だけは、ぼんやりながら持っていました。

 ぼんやりながら持ってはいましたが、それを臨床にどのように活かせばよいのかは全くわかりませんでした。

3.電灸器での戯れ

 突然ですが、皆様は電灸器(図1)というものをご存知でしょうか? おそらくご存知ですよね。そうです、電気の力によって、それの先っちょにある熱発生器が加熱して、それがお灸のような働きをするという治療器具のことです。
 

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