週刊あはきワールド 2018年3月21日号 No.562

在宅ケア奮闘記 その135

自宅での看取りか施設入所か

~施設は絶対嫌と言っていたレビー小体型認知症のSさんにくだされた決断は?~

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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Sさんは物盗られ認知症

 82歳のSさん(女性)は要介護3で独居。腰椎の圧迫骨折があり円背もある、関節リウマチもあるが、部屋の中は時間をかけて伝え歩きができる。排泄はベッド横のポータブルトイレに移動して自身で行える。

 物盗られ認知症があり、絶えず何かしら探している。お金の事に関して特に強い執着がある。

 「あの時の残りのお金を財布に入れて袋に入れて枕の下に隠しておいた。今探しているのだけど見つからない。だから探している」

 「どうしてなくなったの?」と問うと、「いつもベッドの上に女の子が座っていて、その子は取らへんのやけど、時々男の人が3人来るねん。そいつらがいつも悪さをして隠しよる。だからどこに隠されたか分からんから困るんよ」。

 「早くベッドに寝てくれよ」と心の中で叫ぶのだけど、探し始めたら止まらない。「足を動かそうよ」と誘ってみるが、「先生、そっちの袋の中にないか見てくれへんか。一緒に探してぇな。あれがないと困るんや」。

 レビー小体型認知症の患者は数人担当しているが、ハッキリと人が見えるようだ。顔の表情まで見えるみたい。ハンサムな若い男。袈裟懸けのお坊さん。黒いスーツを着た中年の男。かわいい女の子供。指もさす。私の後ろに立っていると指をさされたこともある。少し、ぞ~っとするときもある。

 「怖い顔をした顔だけの女の人がこっちを睨んでいるから気色悪いから、ベッドで寝てられへんねん」と不眠を訴えるときもある。

 「しかし最近では慣れてきたから怖くなくなってきた。最初は怖くて近くの嫁さんに電話して来てもらったり、ヘルパーさんに電話したり、友達に電話して来てもらったりしてたけど、夜中は迷惑やし我慢しているうちに慣れたわ」

 そう言えば私にも絶え間ないほど電話をかけていた時期があった。お嫁さんが私の携帯番号を削除してくれていたので私は夜中の餌食にならないで済んでいる。

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