週刊あはきワールド 2018年4月18日号 No.566

臨床に役立つツボの話 第8話

「下合穴」の効果と「VAMFIT(経絡系統治療システム)」

~難治性「ド・ケルバン病」の患者を通して~

(一財)東洋医学研究所研究員 水上祥典 


◎第7話 大椎穴から授かった転機(森本繁太郎)
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 私は、現在、鍼灸学校の教員と研究員を続けながら、日々の臨床に勤しんでいます。その臨床の中で、特に私の記憶に刻まれたツボの効果における体験談を紹介させていただきます。

1.経絡における「診断システム」との出会いから臨床へ

 私は、柔道整復師として治療院に勤めながら、日本鍼灸理療専門学校に通いました。その当時は、柔道整復師では扱えない患者の愁訴や疾患に興味を持ち、鍼灸治療における治療方針を決める診断方法を探していました。そんな中、木戸正雄先生の実技授業時間内のデモンストレーションをみて、その治療効果を目の当たりにしました。先生自身が構築された経絡の異常(変動)を診断評価するシステムである「経絡系統治療システム(VAMFIT)」(当時の名称は「変動経絡検索法」)を知って魅了されたわけです。それ以来、その治療システムを身につけるべく、今日まで自分の治療に活かし臨床経験を積んできました。

 さて、卒業後、鍼灸師として、勤務していた治療院には、非常にたくさんの運動器疾患の患者が来院していました。そのため、「ド・ケルバン病」の疑いのある患者をみる機会が多くありました。

 その原因としては、産後の女性や、レジ打ち、調理師、スポーツ、スマートフォンの普及など様々なものでした。

 私が行っていた治療の流れは、基本的に「VAMFIT」の手順に則り、「ド・ケルバン病」の病能把握をしてから、脈診によって基本証を立て「本治法」を行い、痛みを起こす患部の原因の経絡である「異常経絡」と「局所の治療」をするというものでした。

 「ド・ケルバン病」の病態としては、様々な原因により手関節橈側の第一区画を走行する「短母指伸筋腱」と「長母指外転筋腱」の炎症から狭窄性の腱鞘炎を引き起こしている状態であると考えられています。

 その患部の位置を支配する経絡からも治療対象と考えられる異常経絡は「大腸経」ということを疑わず治療を行っていました(図1)。
 

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