週刊あはきワールド 2018年5月2日号 No.568

Dr.シノハラの鍼灸徒然草 第13話

伝統医学から見た「起立性調節障害」

~やはり東洋医学は面白い!~

九州看護福祉大学鍼灸スポーツ学科 篠原昭二 


◎過去記事≫≫  もっと見る

起立性調節障害は「脾」の異常

 4月12日(水)付の熊本日日新聞朝刊の教育のページに、「サボりって言わないで」という見出しで起立性調節障害に関する記事が掲載された。専門家の診察を受けることは当然としても、本学鍼灸臨床センターにも同様な愁訴で来院する患者さんは少なくない。

 東洋医学的には「脾」の異常(脾気不足あるいは中気不足)と診断することができ、消化器系機能を整えることを主たる治療目的としている。中焦(腹部:消化器系)で消化、吸収された栄養物(水穀の精微)を頭まで運んで精神や意識をしっかりさせる働きが低下することによってめまい、立ちくらみ、頭重(ズキズキ痛むことは少ない)、胃下垂、脱腸や子宮脱等の内臓下垂が起こりやすいのも、中気不足あるいはさらに昂じた中気下陥(頭まで上昇することなく、下がってしまう)の特徴である。

 また、精神意識に影響すると、さあ、勉強しようと机に向かってテキストを開いた途端、流しの洗い物や洗濯物が放り出しているのが気にかかり、洗い物をしたり、洗濯物を片付けたりして、勉強に集中できない。思い直して机に向かって勉強するぞ! と思った途端、友達からのメールが気になり、ついつい携帯やパソコンでメール処理をして時間が経過する。さらに時間が経過して、いかんいかん、勉強しなければと机に向かっても結局、別のことが気にかかって一向に勉強が捗らない…といった状況が鍼灸医学で言うところの「中気不足」の症状の一つなのである。

 さらに、脾気の働きが低下すると午前中調子が悪く、特に脾は午前9時から11時が最も活発に活動する時間帯であるが(胃の調子は午前7時から9時であり、朝食べられないのは胃の腑の異常による)、この時間帯に調子が悪くなりやすい。午前11時を過ぎると復活して動けるようになるというのも特徴の一つである。反対に夜の10時前後は絶好調である。

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる