週刊あはきワールド 2018年5月23・30日合併号 No.571

治療家のための薬の基礎知識 第17回

脂質異常症改善薬(3)

~スタチン系薬剤の開発とコレステロールの基準値について~

千葉大学医学院和漢診療学非常勤講師 和光治療院・漢方薬局 平地治美 


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●“動脈硬化のぺニシリン”の発見

 脂質異常改善薬において画期的な薬が三共製薬で開発された「プラバスタチン(製品名:メバ◎チン」でした。プラバスタチンのように「〜スタチン」という成分名を持つ薬剤は、肝臓でのコレステロール合成酵素の一つである“HMG-CoA 還元酵素”の働きを阻害してコレステロールを低下させます。前回の連載に書きましたが、血液中のコレステロールは食事として摂取したコレステロール約2割に対し、肝臓で合成されるコレステロールの割合の方が8割近くと、遥かに大きいのです。スタチンの最大の特徴はこの肝臓でのコレステロール生成を阻害することにより、特にLDLコレステロールの値を劇的に下げることです。

 スタチンは日本の遠藤章が発見したメバスタチンに開発の端を発し、ペニシリンと同じく“青カビ”から発見されたことから“動脈硬化のぺニシリン”ともいわれました。三共製薬のメバ◎チンに続き、ファイザー株式会社は「アトルバスタチン(製品名リ◎トール)」を開発して発売し、その売上高は最盛期には年商100億ドルを超え、10年以上世界売上第1位の座に君臨しました。それだけ高コレステロールの人が多かったということです。

 こうしてスタチンは多くの人が苦しむ心筋梗塞や脳梗塞の予防薬として認識され、世界中で使用されるようになりました。

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