週刊あはきワールド 2018年6月13日号 No.573

新米鍼灸師の研修奮闘物語 File.14

Resident.SeのBSL(Bed Side Learning) Diary(14)

~ひとつの腰痛症例から学べることがたくさんある~

鍼灸レジデント2年目 平岡遼 


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 紫陽花が道々で綺麗に花開く季節になりました。5月は気温差が前日と5℃以上ある日が多かったため感冒様症状を訴えられる患者さんが増えていた印象でした。さて今回は5月1日に来院された腰痛患者さんの症例をもとに私の反省と学びをお話しようと思います。

■目覚めたら痛みで起き上がれない!

 幼稚園で保育補助をされている54歳女性のSさんです。「今朝から腰痛がひどいので受診します」と電話があり夕方に受診されました。話を聞くと、前夜から右腰が痛み始め朝目覚めると激しい痛みのため1時間ほど起きられなかったそうです。なんとか起き出してトイレに行ったが「痛すぎて1回嘔吐してしまった」とのこと。その後、嘔気なく朝食も普通に食べて鎮痛薬を飲んで休んでいたそうです。痛みの性状を聞くと、「痛みがなくなる時間はなくずっと痛い」「身の置き所がない感じで横になっても痛くてごろごろ動いていた」と訴えられました。下肢症状はありませんでした。

■腰痛は早めに部位を確認!

 ここで1つ目の反省ポイントです。ここまで私は痛みの部位を自分の目で確認していませんでした。痛い部位を指でさしてもらうと右の胞肓穴・秩辺穴あたりでした。腰部ではなく殿部の痛みだったのです。痛みの部位が腰部と殿部では考える疾患が変わってきてしまうのでまず部位を確認するべきでした。腰部は範囲が広いため、痛む部位を特定することが診断に寄与します。臨床では腰痛はまず部位を聞け、と先生に教えていただいていたことを思い出し、しまった! と思いました。

 腰部痛と思って話を聞いていた私は、上記の訴えから安静時痛があると考えたため内臓疾患を疑っていました。そのためバイタルサインを測定しましたが特に異常なし。尿路結石、腎盂腎炎などの泌尿器疾患を考えて排尿について確認しましたがいつも通りで、当日朝に尿も便も出ていました。CVA叩打痛もなく、外傷歴なし、脊椎棘突起の叩打痛なし、悪性腫瘍の既往や家族歴もなく体重減少もありませんでした。他に鑑別疾患を挙げることができなかった私は石川先生に相談に行きました。

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