週刊あはきワールド 2018年8月1日号 No.580

臨床に役立つツボの話 第11話

私の臨床経験から特に手応えのあったツボにまつわる症例集

関西医療大学保健医療学部はり灸・スポーツトレーナー学科 坂口俊二 


◎第9話 歯科領域の臨床のツボ(小林詔司)
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ツボにまつわる体験

 私は腧穴を大事にしている。運動器疾患では問題となる組織を徒手的な検査で同定し、そこに刺鍼する場合も、どの腧穴から狙えば適切に当該組織に届くのかを考える。一方、患者全体を対象とする考えに基づけば、主訴はもちろん、多くの愁訴についても、それらに合った腧穴を選択し治療を行う。具体的には、臓腑経脈の異常を捉え、異常経脈の要穴を駆使して鍼灸治療を行う。この場合、ツボの反応は圧痛を伴わないことも多く、皮膚表面の軽微な反応(陥凹や皮膚表面の過緊張など)を捉えて浅刺や八分灸を行う。患者さんの病態に合わせた最適な腧穴を経間関係から厳選することに重きを置いている。

 選んだ腧穴への刺鍼・施灸について、正直なところ補瀉は非常に難しいと考えている。各腧穴の反応にあわせて鍼・灸と深さ・壮数等を決定している。施術者の態度×適切な鍼灸治療が患者の納得と満足度の高い治療効果を生むと考えている。

 私のツボに纏わるルーツは学生時代(今から四半世紀前)に遡る。友人数名と大学以外に週2回1年間、川本正純先生から鍼灸学の基礎を学んだ。中国医書に記載された歌賦、日本では澤田流灸療秘訣や鍼道発秘などの解釈に多くの時間を費やした。

 いずれも症状に対する腧穴数の少なさがとても魅力的だった。症状を『中国漢方医語辞典』や『中国漢方医学概論』、『針灸学』を片手に調べ、腧穴の効能などは『針灸集錦』を拠り所に、なぜこの症状にこの腧穴を、またこの腧穴の組み合わせは、症状をこのように捉えている、などを調べ、皆の前で発表したことを今もよく覚えている。そこで選穴の基礎が培われたと思っている。
 

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