週刊あはきワールド 2018年8月22・29日合併号 No.583

あはきメンタル~動きの心理編~ 第2回

東洋的ボディワークにみられる学び(1)

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


 
 みなさんは学会等で実技発表をご覧になりますか。ご覧になるという方は、施術者のどこを見ていますか。多くの方が手先の動き、手さばきに注目するのではないかと思います。そのため、一昨年、つくば市で行われたWFAS2016では、術者の手元をカメラで撮影して大型スクリーンに映しました。私たちは著名な鍼灸家の卓越した技、手さばきを真似ようと頑張りますがなかなかうまくいきません。

 ところが、その卓越した技を真似るのが上手な人がいます。真似上手な人は、なんとなく真似るだけで、全くその通りではありませんが形になっていることがあります。それどころか、一目見てこれいいねと自分のレパートリーにしているうらやましい方もいらっしゃいます。

 前回、筆者は、「動き」を真似ることを重視する日本の伝統的な技能習得方法が、統合的な知を継承するという点で有効であり、暗黙知という視点からも重要であることを指摘しました。

 東洋の伝統的身体技法に端を発するいくつかのボディワーク(『あはき心理学入門』第6章2節参照)において、真似ることは、学びの中心となっています。

 今回から数回にわたって、東洋的ボディワークにおける学びを取り上げ、それはあはき技能の習得にどのように貢献するのか考えてみたいと思います。

1.東洋的ボディワークとは

 ボディワークとは、「身体の調整や整体、治療法」の総称として使われている言葉です。小林勝法氏は、身体の調整や整体、治療法の施術者をボディワーカーと呼ぶことがあることから、あはき師もボディワーカーであるという見解を示しています。

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