週刊あはきワールド 2018年9月5日号 No.584

【新連載】地域・家庭医療としての鍼灸マッサージのすすめ 第1回

家庭医療と地域医療から鍼灸マッサージを見て

一寸法師ハリ治療院 中沢良平 


鍼灸マッサージ師は家庭医療や地域医療を学ぶ必要がある

 「プライマリ・ケアとしての鍼灸」という演題名で講演をするときがあるのですが、参加された方から「地域医療ってなんですか?」とか「家庭医療というのがあるのですか?」などの声を聞くことがあります。地域医療という言葉は聞いたことがあっても家庭医療という言葉は聞いたことがない方は多いです。これから家庭医療についてお話を進めていくのですが、読まれていくうちに「そうか、私たち鍼灸マッサージ師は家庭医療や地域医療を実践しているんだ」ということに気がつかれると思います。

 それではなぜ、そのような言葉を聞いたことがないのかというと、学校教育の中で教わらないからだと思います。教わらないから知らないということですね。今後もこの状況は変わらないと思われますので、卒後教育として「プライマリ・ケア」とか「地域医療」「家庭医療」というのを学習していく必要があると思っています。できれば、「地域鍼灸医療学」とか「家庭鍼灸医療学」という分野が立ち上がればいいなと思っています。

家庭医療や地域医療の視点をもった治療院経営を

 それと、もう一つ伝えたい思いがあります。それは地域に根づいた治療院の経営です。昨今、受療率が下がったことへの企画や繁盛治療院への本が出るようになりましたが、どれもピンとくるものが少なかったです。よくよく考えると、家庭医療や地域医療の視点がないからだと気づきます。患者の家庭やその地域で求められる鍼灸マッサージ医療を提供していく視点です。

 地域での要望や需要が高ければ患者は増えます。反対に地域にあまり必要とされない治療院は淘汰されるでしょう。このことは、どの職種でも同じです。地域から求められれば残り、求められなければ去るだけです。地域に残るには患者の家庭・家族のケアや地域でのケア活動を通じ、その地域で必要不可欠な治療院になることが求められているのではないでしょうか。

 家庭医療や地域医療を治療院経営に結びつけるのは本意ではないですが、それらの医療を充実させれば地域での存在価値は高まり、経営は安定することには変わりありません。そのためには、「患者中心の医療の方法(Patient Centered Clinical Method;PCCM)や「家庭志向ケア」という考えを学び、地域に役立つことは必要です。

 鍼灸マッサージ師は、どうしても治療技術の方に目が向きやすいです。学び得た治療技術や知識を家庭医療の視点を持って地域に挑めば、それは素晴らしい治療院になるのではないでしょうか。

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