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2018年9月12日号 No.585 |
生命に学ぶ鍼灸医学 第4話 学ぶ姿勢~「いのち」と言葉~一元流鍼灸術代表 伴尚志 ツイート
◎第2話 学ぶ姿勢~日本医学の原点と思想的背景~
◎第1話 学ぶ姿勢~はじめに~
■この連載についてこの文章の目的は、鍼灸医学の基礎の解説をすることにあります。東洋医学的な鍼灸を、原理的に煮つめて以下の条項にまとめました。2018年6月より一年間をめどに毎月配信しています。よろしくお願いします。
探究の焦点となる、自分自身を見つめる心の位置と、四診をする心の位置はおなじです。これは、神道―仏教(禅)―儒学(古義学)を貫く一点となります。 江戸時代の知の基盤である、「自己の内面を祓い浄め、磨き出された自己の中心をもって、他者を診」ること、すなわち「究極のリアリティー」に、日本における東洋の医学の基礎をおかなければなりません。この心の位置を極めることによって、言葉を越えて存在そのものへと肉薄することができます。ここまで、前回お話しました。 古代の聖人である、舜(しゅん)の行動様式について孟子は、「舜は仁義によりて行う、仁義を行うにあらず」と述べています。(『孟子』離婁(りろう)章句下二〇)仁義の心を内なる柱として建て、その心に従って自在に舜は行為していた。頭で考えた仁義の定義に従って行動していたのではない、と。 仁義にのっとった行為を、文字にまとめ、経典として作成し、後世に遺すことはできます。そしてそれを道徳として語りつぎ、神聖視することもできるでしょう。その道徳を実践し、それに従って人を裁くこともまたできるわけです。 けれども舜の行いはそうしたものではなかった。自分の中に仁義という正しい柱を建て、後は時と処と縁による行いに任せた。言葉を越えた行為がそこにはあったのだということを、孟子は語りたかったわけです。 このことは、伝承されている東洋医学を神聖視している人々、発掘された書物を神聖視している人々に深い反省をうながすことでしょう。日本には現在、東洋医学の経験方と呼ばれるものが非常にたくさん蓄積されています。また、その屋上屋を重ねるように、体表の反応を見もせずに経穴の意味や効果を定める人々がいます。それは、仁義というものがその時と処と縁を得た関係性の中に行われているということを理解できずに、定義だけで仁義を行うことができると思っている人々と同じなのではないでしょうか。 (続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます) |
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