週刊あはきワールド 2018年9月19日号 No.586

マッスル鍼法実践コラム 第10回

本『マッスル鍼法』の差し替え資料ができました

あんしん堂鍼灸院院長 宮村健二 


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〔ご案内〕

 奇数月の第3水曜日号で、「マッスル鍼法実践コラム」をお届けしています。

 本『マッスル鍼法』をご購入・ご愛読いただいておりますこと、厚く御礼申し上げます。発行した2015年10月から丸3年が経過しました。この本では、マッスル鍼法の基本刺法として「両手刺手管鍼法」を取り上げていますが、この新しい管鍼法は発展途上の技術であり、この3年間で大きく進歩しました。この本の第3章第1節2.に「両手刺手管鍼法の作業工程」という項目がありますが、その内容がすっかり古いと感じられるくらいに進歩してしまったのです。

 そこで、この技術の最新の状況を反映した差し替え資料を製作しました。今回はこれをご紹介し、本『マッスル鍼法』を補強したいと思います。

【何がどう変わったのか】

 3年間を振り返ってみると、明らかに変化した部分と、変化なく脈脈と引き継がれている部分とがあります。それを説明するために、両手刺手管鍼法の技術上の特徴を五つのキャチフレーズに整理してみました。

【キャッチフレーズ1】 押手をしない

 押手で組織にひずみを作ることはありません。

〔まとめ〕ひずみNGの第1要件です。

【キャッチフレーズ2】 肘を下げた単回弾入

 上刺手の示指腹を鍼柄頭の真上、手根を鍼管下端と同じ高さに置き、その手根より低い位置に肘を置くと、手関節は軽度背屈位となります。

 この手関節軽度背屈位は、示指腹叩打振り下ろしと跳ね返りの両方で、それぞれの主動作筋の長さを確保し、瞬発力の発揮が期待されます。

〔まとめ〕ベースは、組織のひずみNGです。

【キャッチフレーズ3】 重力以外シャットアウトのフリー

 フリー即ち浮き管だけが鍼に触れている状態は、重力以外の力をシャットアウトした空間を鍼の周りに作り、鍼と組織を自由にします。

 自由になった組織は、自らの弾性によってひずみを消し去り、ひずみのない自然体になります。

〔まとめ〕ひずみNGの第2要件です。押手をしないことと相俟って、ひずみのない刺鍼の条件が整います。

【キャッチフレーズ4】 FセットとTを繰り返す序盤刺入

 Fセットは、浮き管だけが鍼に触れている状態を作り出す操作です。Tは、下刺手で鍼体下部を持ち、低くからまっすぐ鍼を押し下げる田植え圧鍼です。

 FセットとTは、3回繰り返します。

〔まとめ〕ベースは、組織のひずみNGです。

【キャッチフレーズ5】 HとBを繰り返す中・終盤刺入

 Hは、上刺手で鍼柄またはその隣接部を持ち、高くからまっすぐ鍼を押し下げるハンドリング圧鍼です。Bは、鍼尖を若干引き戻すテークバックです。

 HとBは、鍼尖が標的に到達するまで繰り返します。

〔まとめ〕ベースは、組織のひずみNGです。

 キャッチフレーズの1と4と5は、本『マッスル鍼法』の発行後変化なく脈脈と引き継がれている部分です。これらは両手刺手管鍼法を支える土台であり、とても頼もしく感じられます。

 キャッチフレーズの2と3は、この3年間に新しく開発され、両手刺手管鍼法の体系に組み込まれ、定着した技術です。特にキャッチフレーズ3の重力以外シャットアウトのフリーは、両手刺手管鍼法の命数を支配するともいえるくらいの大発見です。
 

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