週刊あはきワールド 2018年9月26日号 No.587

治療家のための薬の基礎知識 第21回

漢方薬の副作用(2)

~証の誤りによるもの・間質性肺炎について~

千葉大学医学院和漢診療学非常勤講師 和光治療院・漢方薬局 平地治美 


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薬の使い方(いわゆる証)の誤りによって生じるもの

 1996年のある日、「漢方薬の副作用で10人が死亡」というショッキングな記事が新聞の一面を飾りました。当時、私が勤務していた薬局には「今、自分が服用している漢方薬は大丈夫か?」という問い合わせが殺到し、一時電話が鳴りっぱなしになりました。

 漢方薬の安全神話が崩されたこの事件で問題となった漢方薬は、慢性肝炎の治療として処方された“小柴胡湯 ”でした。慢性肝炎には有効な治療法が少なく、当時も抗ウイルス薬であるインターフェロンを用いるのが常でしたが、「小柴胡湯により、慢性肝炎の肝機能障害を改善できる」という報告があってから、小柴胡湯が広く用いられるようになり、使用者は100万人にも及びました。

 これだけ多くの方に使われたのですから、何らかの副作用が出るのは不思議ではないのですが、死者が出たことで大きな社会問題になりました。この事件での副作用は、「間質性肺炎」でした。間質性肺炎は抗生物質が効かない厄介な肺炎で、体力のない人がかかると、死に至ることもあります。同じ慢性肝炎といえども、罹った人の体力や抵抗力の強さにより、状態はさまざまです。
 

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