週刊あはきワールド 2018年10月3日号 No.588

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.54-1

更年期症状はこう治す!(1)

~積聚治療の疾病観とその治療手順~

積聚会 原オサム 


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1.はじめに

 病に対する治療は東西合わせ、様々多数存在している。さらに我々の鍼灸に限っても様々な流派や治療法があり、それぞれ効果がある(治る)と言われている。しかし治療法や理解が様々に異なるのに、どうして皆それぞれ効果があるのだろう?

 一般に鍼灸の治療には次のようなものが考えられる。

①神経・筋肉(現代医学・解剖学的)から考えてアプローチするもの
②経絡から考えてアプローチするもの
③経穴から考えてアプローチするもの
④五行から考えてアプローチするもの
⑤陰陽から考えてアプローチするもの
⑥局所を直接狙ってアプローチするもの
⑦それぞれを独自に混合してアプローチするもの

などが挙げられるが、さらに東洋的には①を除き補寫虚実の概念が複雑に関係する。それぞれの治療法の対象には得手不得手があるかもしれないが、なぜどの治療法でも効果があるのか? 初学者はもちろんのこと、臨床に慣れた人でも実際にどの治療法を選択または習得すればよいのか常に迷うことが多いのではないだろうか。

 最初に習得した治療法の影響が大きく、その流派独自の言葉や解釈が、他の治療法との共通した理解をもつことも難しくしている?

 できることなら、異なるアプローチの治療法であってもお互いが、共通して理解できる状況を持ちたいものである。

2.ヒトは生まれた瞬間の直後から、
必ず死に向かって生命力は弱って行くもの



図1


















 上の略図のように、ヒトの生命力は誰でもどんなに健康体であっても必ず生理的に減少して行き、いつか必ず死に至るものである(生理的生命力低下の推移)。これは先天・後天の影響もほとんど受けずに、健康的に天寿を全うするものを仮定したのであるが、これを東洋的にいえば生理的な生命力の“虚”(仕方のない弱り)と言えるものである。

 ヒトの一生分の生命力の絶対量は、ヒトの誕生と同時に決まっていると思われ、生命力自体が生後から増加することは考えられないのだ(もしそれが可能なら不死に近いものが実現してしまう?)。

 ヒトの一生を車に例えれば、1回限りの条件でガソリンを満タン(ヒトの持って生まれた力の差と同じように、車種により燃料タンクの容量や馬力は異なるが…)にされた新車で、走り始めた状態がヒトの誕生の瞬間に相当し、その直後からガソリンを消費しながら、やがてガソリンがなくなり停止するまで、どれほど遠くに走って行けたか、という感じだ。                  

 時間の経過とともに生命力はただ減少(虚)し、死に向かって行くのである。
 

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