週刊あはきワールド 2018年11月7日号 No.592

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.55-1

感冒はこう治す(その1)

~北辰会方式による鑑別診断について~

(一社)北辰会代表理事 藤本玄珠堂 藤本新風 


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 北辰会方式鍼灸は現代中医学理論をベースとしつつ、日本の伝統医学に特徴的な体表観察をも導入して四診合参しており、太極陰陽論を駆使してより精度の高い弁証論治を行っている。さらに、ほぼ1本~ごく少数鍼、で対処しているのも大きな特徴である。

 北辰会方式の概略については、すでに弊会の奥村氏が示しているので、「File.22-1 痹病はこう治す!(その1)~北辰会方式による鍼灸治療法~(奥村裕一)」を参考にされたい。

 症状の特徴、発症の原因・経過などについて問診し、中国伝統医学の認識に照らし合わせた上で疾病診断(弁病)し、そのケースにおける病因病理を明らかにしたうえで弁証し、治療方針を確定して鍼灸施術を行う。つまり「診察・診断・治療」の流れが一貫した治療体系であり、こういった姿勢で鍼灸施術にあたることは、今後「鍼灸」が医療業界において評価され導入されていくうえで非常に重要な事柄の一つだと考えている。

 現代日本の鍼灸臨床現場では裏証を中心とした慢性雑病を扱うことが多いと思われる。診療を定期的に継続していく中、時としてカゼを引いて(感冒に罹って)来院されることは少なくない。その場合、「先表後裏」の基本原則にしたがって感冒(表証)を速やかに治癒させることにより、再び本来の裏証に対する治療に取り組むことができ、適切な処置ができずに感冒が長引けばもとの病症に対する治療が遅れることになる。外邪のうち寒邪を中心とした場合は『傷寒論』に基づいて六経弁証を用い、温邪に傷られた場合には温病学に基づいて衛気営血弁証、三焦弁証を用いるとするのが一般的であろう。さらに北辰会では『傷寒論』・温病学の理論からインフルエンザ等の伝染性の強い熱病に対する理解を深めることはもちろんのこと、さらには難病の病態認識、治療の在り方について見識を深めるのに役立てて取り組んでいる。これらの内容については別の機会に譲るとして本稿では、多くの鍼灸臨床家が普段から遭遇している感冒・カゼひきにスポットを当て、現代中医学および北辰会方式での認識を示し、感冒(気滞表証)の一症例を提示する。

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