週刊あはきワールド 2018年11月7日号 No.592

東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて 第2回

女性アスリートとオリンピック・パラリンピック

筑波大学オリンピック・パラリンピック総合推進室 宮本俊和 


Ⅰ.はじめに

 2020東京オリンピック・パラリンピック大会の主たる目的は、スポーツを通じて、年齢、性別、障害などの多様性を互いに認め合い共生社会をはぐくむ契機となるような大会にすることである。

 前回は、人口の高齢化と障害者のスポーツ参加について触れたが、今回は女性とスポーツについて取り上げる。

 オリンピックで活躍する選手の中で、「女」を決める基準は、生殖器なのか、染色体なのか、ホルモンなのか激しい論争が繰り広げられてきた。その陰で人権が侵害され、選手生命を絶たれた女性がいることを忘れてはいけない。

 国際陸上競技連盟と国際オリンピック委員会(IOC)は、2011〜2012年の間、血中テストステロン濃度が1リットルあたり10ナノモルを超える場合は、女性として出場できないという規定を採用した。高いテストステロンの女性は、競技において有利になると考えたのである。2014年に裁判に訴えた選手がおり、スポーツ仲裁裁判所は、この規定を一時停止するように判断した。裁判所は、人間の性を単純に二分できるものではない。しかし、アスリートを男と女のカテゴリーにわける基準も必要であると述べている。

 女性スポーツを論議する場合、スポーツの公平性や性差別に関する歴史的変遷や国民性など、さまざまな背景を考慮する必要がある。

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