週刊あはきワールド 2018年11月14日号 No.593

新米鍼灸師の研修奮闘物語 File.19

Resident.SeのBSL(Bed Side Learning) Diary(19)

~間欠性跛行、実は問診は難しい~

鍼灸レジデント2年目 平岡遼 


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 今年の夏は災害級の酷暑と評されるほど暑かったですが、すっかり肌寒い季節になりました。ともともクリニックも予防接種を受けに来るお子さんで賑わっています。みなさんも流行前に予防接種を受けてくださいね! さて、寒い季節になると神経痛の患者さんは痛みを訴えることが多くなります。東洋医学では神経痛の多くは風寒湿(または風湿熱)の邪が虚に乗じて経絡に侵入する痹証にあたりますから、寒邪で増悪することは納得です。今回は、そんな神経症状を呈する疾患のひとつである腰部脊柱管狭窄症についての話です。

■あひるのこども会

 前回はTOMOTOMOでいま開かれている勉強会についてご紹介しましたが、その中の「あひるのこども会」は他の勉強会とは違い、先生方は参加されず、まだまだ半人前のスタッフと参加者が学びたいことを自主的に学ぶ、正に「あひるのこども」のための勉強会です。今年は、鍼灸臨床における主訴の中でも多い神経症状についてしっかり学ぼうということで、上半期に上肢の神経診察法をやり、下半期の現在は下肢の神経診察法をテーマに行っています。いまは腰部脊柱管狭窄症をテーマにしているのですが、教科書の知識と臨床で実際に使えるようになるまでの溝を埋めるために、どんな順番で何を聞き、なにを鑑別し、どんな身体診察をするかということを勉強しています。実際に先生の臨床を見たり、自分の患者さんと向き合ってみたりすると、臨床のその場では考えられていないことを歯がゆく思います。国家試験の問題例のように聞かれれば答えられるのになあ。

■勉強をしているとその患者さんがくる!

 勉強会などでひとつの疾患を勉強すると後日その疾患を持った患者さんが現れる、ということがなぜかよく起こります。TOMOTOMOでは、臨床の神様が勉強しなさいと連れてきてくれたんだと言っています。また、某漫画のデスノートの逆なのでライフノートと呼んだりもしています。今回も、脊柱管狭窄症らしい症状を訴える新患さんが現れてくれました。その患者さんを診たのは石川先生と別のスタッフでしたが、後日カンファレンスを行ってくださり、とても勉強になったので紹介したいと思います。

■病歴を聞いたときに何を感じられるか!?

81歳男性 Iさん
 8月に左殿部に痛みが出現した。同月24日に近くの病院でMRI撮影をし、脊柱管狭窄症と診断された。現在は歩行10分で左殿部から左大腿後面~下腿前面にかけて痛みとしびれが出現し、20~30分歩行すると休む。立位保持でも同様の症状が出現する。足背・足底に痛み・しびれはない。足の冷感もない。8月以前から残尿感があり、9月から自己導尿カテーテルを開始した。8月以降に残尿感の増悪はない。

 カンファレンスではこのように症例提示されたあと、いつも石川先生は「どう感じた?」とみんなに質問します。私は色んなカンファレンスをする中で、病歴を読んだときに感じる第一印象というのが、臨床の実力をよく表すのではないかと感じます。なぜなら、その印象がまさに実際に患者さんの話を聞いているときに自分が感じられるものだからです。私は的外れだったり細かいところの指摘ばかりしてしまいがちです。実際に臨床でもそういう質問を患者さんにしてしまうことで叱られることが少なくありません。先生や先輩が、病歴を聞いた第一印象を教えてくださると、「言われれば確かに!」と感じられるので、それを自分で考えられるようにならなければいけません。

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