週刊あはきワールド 2018年12月12日号 No.597

新米鍼灸師の研修奮闘物語 File.20

Resident.SeのBSL(Bed Side Learning) Diary(20)

~膝の腫れには至上(糸状)の愛!?~

鍼灸レジデント2年目 平岡遼 


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 毎日鍼灸治療の臨床現場にいると、不思議なことにその日に来院される患者さんの疾患がものすごく偏る日や時間があります。石川先生の過去のお話では、珍しい非結核性抗酸菌症(肺MAC症とも呼ばれます)の患者さんが一日のうちに3人続けて来たことや、一日終わってみたら脊柱管狭窄症の人ばかりだったことがあったそうです。先日、私が石川先生のBSLに入っていたときにふと気づくと3台並んだベッドすべてが変形性膝関節症と関節水腫の治療になっていて驚きました。今回は鍼灸臨床で訴えの多い膝痛について教えていただいたことを紹介したいと思います。

■その痛み、どこの痛み??

 高齢になるほど膝痛を訴える患者さんは多くなりますが、鍼灸治療院では他の医療機関に比べてその割合はさらに多くなると思います。70歳代の女性ともなると膝痛がない方が驚いてしまうほどです。患者さんに膝痛を訴えられたとき、まず聞くべきことは痛みの部位です。膝痛の場合、痛みの部位がはっきりするだけで鑑別がかなり絞れるからです。このとき大切なのは、自覚的に痛む部位や圧痛の部位を聞いたときに解剖学的にそれがなんなのかがわかっていることです。まずは関節の中の痛み(=関節痛)なのか関節の外の痛み(≠関節痛)なのかを知る必要があります。変形性膝関節症の既往があっても、いまの膝の痛みの原因が変形性膝関節症とは限りません。当たり前ですが重複していることも非常によくあります。東日本大震災で走って逃げた高齢女性にはタナ障害や鵞足部炎が起こっていました。それを触診しないでマッサージをして悪化させてしまった話もよく聞きました。患者さんは「(せっかく来てくれたのに)悪いから言えない」と言っていましたが、プロの医療者として悪化させてそのままでいいわけありません。災害地は医療資源も限られるため、より触診や医療面接の重要性が上がると感じました。普段できていないことが、災害地でできるはずないのです。

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