週刊あはきワールド 2018年12月12日号 No.597

生命に学ぶ鍼灸医学 第7話

学ぶ

~肝木の身体観~

一元流鍼灸術代表 伴尚志 


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■この連載について

 この文章の目的は、鍼灸医学の基礎の解説をすることにあります。東洋医学的な鍼灸を、原理的に煮つめて以下の条項にまとめました。2018年6月から1年間をめどに毎月配信しています。よろしくお願いします。
  1. 東洋医学的な鍼灸を探求した人々は、聖人を目指していました。その聖人とは超能力者ではなく、求道者のことです。
  2. 鍼灸治療の目標とは何でしょうか。その基本は、生命を調えることにあります。そこを見ることができるから、今を磨く養生を提言することができるわけです。
  3. 鍼灸医学は単なる症状とりのための技術ではありません。生を応援するための技術です。深い治病はその後についてくるものです。
  4. 診ることを磨くために弁証論治があります。時系列の問診をして生命の流れを診、四診をして今の状況を診、構造的に考えていくことによってその生命状況を見極めます。
 さて、東洋医学的鍼灸は求道者によって創始され、江戸時代の求道的な精神を背景にして、気一元の身体観とともに花が咲きました。

 探究の焦点となる、自分自身を見つめる心の位置と、四診をする心の位置はおなじです。これは、神道―仏教(禅)―儒学(古義学)を貫く一点、「自己の内面を祓い浄め、磨き出された自己の中心をもって、他者を診」るということです。

 「いのち」に触れてそれを表現したものには、リアリティーにおいて軽重があります。リアリティーに近いものほど言葉は少なく、遠いものほど言葉は多くなります。

 5回目からは、丹田という中心をもった「一」である揺らぐ生命こそが、「人」であるということについて述べました。

 今回は、構造的な身体観である、肝木の身体観についてお話しましょう。

■肝木を中心とした身体観

1.一である人を五つの観点から見る
 これからお話する肝木を中心とした身体観は、言葉にするとすっきりしすぎるきらいがあるのですが、丹田という中心をもった揺らぐ生命である「一」を基本とし、生命全体をより構造的に眺めようとしているものです。

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