週刊あはきワールド 2019年1月9日号 No.600

■インタビュー 『クリニカルエクササイズ』の著者・山下貴士氏に聞く!

クリニカルエクササイズをスポーツの現場や臨床に取り入れよう!

 【聞き手】あはきワールド編集人 


 
臨床ですぐ使えると話題になった『クリニカルストレッチ』の著者、山下貴士氏がこのほど2冊目の単行本となる『クリニカルエクササイズ トレーナー、治療家のための機能的エクササイズ入門』を上梓した。巷間にはエクササイズ本は山ほどあるが、この本はそれらと比べてどこが違うのか。トレーナー兼鍼灸師として20年以上になるという山下氏はそもそもなぜ海を渡ってアメリカの地でNATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)のATC(公認アスレティックトレーナー)の資格を取ろうと思ったのか。またそのうえで、日本の鍼灸師の資格も取得しようとしたのか。トレーナー兼鍼灸師の山下氏と『クリニカルエクササイズ』への疑問をぶつけてみた。
 

山下貴士(やました・たかし)

 インディアナ州立大学でスポーツ医学を学び、米国公認アスレチックトレーナー(NATA-ATC)の資格を取得。株式会社オンワードアメリカンフットボール部にてトレーナー活動を開始する。その後、早稲田医療専門学校(現人間総合科学大学鍼灸医療専門学校)で鍼灸師の資格を取得し、活動の場を、整形外科のリハビリ、鍼灸院での施術、東京大学サッカー部トレーナー、健康関連企業アドバイザー、専門学校非常勤講師などに広げる。
 現在、神奈川大学水泳部トレーナー、神奈川大学非常勤講師を務める。エクササイズリハビリテーションと鍼灸治療の両面より、心身ともに健康になることを目指して、トップアスリートのトレーニングから一般の人々の健康維持管理まで行う。選手や患者の自立や自己管理を促すために、ファンクショナル(機能的)と上虚下実の概念を日々のトレーニングや施術に取り入れている。
 著書に『クリニカルストレッチ トレーナー、治療家のための臨床的ストレッチ入門』『クリニカルエクササイズ トレーナー、治療家のための機能的エクササイズ入門』(ともにヒューマンワールド刊)がある。
 

山下貴士氏
―― 山下さんが執筆された『クリニカルエクササイズ』が出版されましたね。おめでとうございます。

山下どうもありがとうございます。この本は、前回の『クリニカルストレッチ』に比べて、私の通常行っている機能的エクササイズを、より反映させたものとなっています。

―― より実践的なんですね。『クリニカルエクササイズ』については、あとで触れさせていただくとして、その前に山下さんのトレーナー兼鍼灸師人生について、少し聞かせてください。プロフィールを見てみると、資格は鍼灸師よりATC(アスレチックトレーナー)が先ですが、どうしてトレーナーになろうと思われたのですか。

ATCになろうと思った理由

山下私の世代は第2次ベビーブーマーとも呼ばれ、非常に人口が多く、学生時代には同級生の多くが大学に入ることを目標に頑張っていました。そこに疑問を感じているときに、トレーナーという一般的でない職業が直観的に頭に浮かんだのです。今でこそ、トレーナーと言えば、どのような仕事かが想像できますが、当時はトレーナーと言っても、実際に詳しい情報はありませんでした。私はなぜかその世の中で確立されていない仕事に、大きな可能性を感じたのです。

 日本にも鍼灸を代表とする素晴らしい技術が存在することは感じていましたが、アメリカでトレーナーの勉強ができる機会は限られていると感じ、先にNATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)での勉強を優先し、渡米しました。

―― 日本で日本体育協会のAT(公認アスレティックトレーナー)を取って活動を、とかいう選択肢もあったんじゃないかと思うんですが…。

山下年齢がバレてしまいますが、当時は日本体育協会のトレーナー資格は存在していませんでした。

―― 言われてみれば、そうですね! ATの制度ができたのが、確か1994年でしたから、その頃、山下さんはすでにUSAですね。

山下そうです。私の帰国後に日本体育協会のトレーナー資格が少しずつ普及してきた感じです。仮に、当時この資格があったとしても、アメリカで学ぶ機会が目の前にあったのであれば、そちらを優先していたと思います。

アメリカの学生生活は?

―― フロンティア精神が旺盛だったんですね。それほど、NATAに魅力があったということなんでしょうね。アメリカの学生生活はどんな感じでしたか。
 

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