週刊あはきワールド 2019年1月16日号 No.601

生命に学ぶ鍼灸医学 第8話

学ぶ

~脉診をするということ~

一元流鍼灸術代表 伴尚志 


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■この連載について

 この文章の目的は、鍼灸医学の基礎の解説をすることにあります。東洋医学的な鍼灸を、原理的に煮つめて以下の条項にまとめました。2018年6月から1年間をめどに毎月配信しています。よろしくお願いします。
  1. 東洋医学的な鍼灸を探求した人々は、聖人を目指していました。その聖人とは超能力者ではなく、求道者のことです。
  2. 鍼灸治療の目標とは何でしょうか。その基本は、生命を調えることにあります。そこを見ることができるから、今を磨く養生を提言することができるわけです。
  3. 鍼灸医学は単なる症状とりのための技術ではありません。生を応援するための技術です。深い治病はその後についてくるものです。
  4. 見ることを磨くために弁証論治があります。時系列の問診をして生命の流れを診、四診をして今の状況を診、構造的に考えていくことによってその生命状況を見極めます。
 さて、東洋医学的鍼灸は求道者によって創始され、江戸時代の求道的な精神を背景にして、気一元の身体観とともに花が咲きました。

 探究の焦点となる、自分自身を見つめる心の位置と、四診をする心の位置はおなじです。これは、神道―仏教(禅)―儒学(古義学)を貫く一点となります。「自己の内面を祓い浄め、磨き出された自己の中心をもって、他者を診」ます。

 4回目までは、ありのままに見、あるがままに表現することについて解説してきました。これは鍼灸師にとって、四診し治療することとしてそのまま日々の臨床に繋がります。

 5回目は、病を含めてすべては「生命」の揺らぎであり、6回目は臍下丹田を中心とする気一元の生命について述べ、前回はその構造的な診方として「肝木の身体観」について述べました。

 今回は、脉診を通じて、実際にこの生命観がどのように表現されているのかを述べていきます。

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