週刊あはきワールド 2019年3月27日号 No.611

Let’s はりきゅう遊学 第58話

若手の鍼灸師に手作りテイ鍼は流行っているのか?

~チョイキャリ鍼灸師のつぶやき・テイ鍼についての古典の記載とその基本操作~

お灸とハリ治療の専門家 福島哲也 


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 厚生労働省のホームページによると、今回(第27回)のはり師及びきゅう師国家試験の合格者は、はり師が3712名(合格率76.4%)、 きゅう師が3656名(合格率78.5%)だそうです。無事に合格された皆さん、おめでとうございます。とりあえず、免許申請の手続きをお忘れなく。釈迦に説法かもしれませんが、合格しただけでは鍼灸師としてのスタートは切れませからね! また、今回は力及ばず残念な結果に終わってしまったけれど、再チャレンジをするという決意をされたかたは、来年の試験に向けて心新たにスタートを切ってください。

チョイキャリ鍼灸師のつぶやき

 このところ複数のSNSで、手作りのMyテイ鍼を作るワークショップや、テイ鍼の体験するといったセミナーなどの話題をよく見かけます。若手の鍼灸師のかたのやり取りが多く、結構盛り上がっているように思えました。若手の鍼灸師のあいだでは、手作りの鍼がブームなのでしょうか? それも、テイ鍼なのには何か特別な理由があるのでしょうか?
 
 私も、日常的にテイ鍼はよく使いますし、太さや長さ、鍼尖の形状を微妙に変えたものを複数の素材(金、銀、チタンなど)で業者さんに作ってもらったものを両手の指の数以上は持っています。そのときどきの患者さんの症状や穴処の状態などを勘案し、適宜、使い分けているわけですが、自分で作ろうとまでは思いませんでした。

 近年は、毫鍼はディスポーザブルが主流となり、鍼具への感謝の心などは希薄になってしまったように感じていたのですが、自作のテイ鍼であれば愛着も生まれるでしょうから、喜ばしいことなのかもしれません。でも反面、鍼治療の基本となるのは毫鍼だと、私は思っています。毫鍼の技術的研鑽をあえてスルーして、痛くない・刺さない(刺さらない)というテイ鍼の魅力に目を向けてしまったのではないかという懸念が、昔は若手といわれたことのあるチョイキャリ(それなりに臨床経験のある)おじさん鍼灸師の胸にはあるのです。

 ちなみに、憧れの先生の使っているオリジナル鍼具(○○式テイ鍼など)を使えば、誰でもその先生と同じことがすぐにできちゃうわけではありません。数回のセミナーに参加しただけでは、ほぼ使い物にはなりません(ただの金属の棒です)。当然、それ相応の技術の研鑽と臨床経験が必要です。また、その鍼具でなければ、その先生の技術を再現できないというわけでもありません。ある程度以上の臨床経験のある者なら、別の鍼具(極端なことを言えば爪楊枝など)でも、ある程度の再現は可能かと思います。

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