週刊あはきワールド 2019年4月10日号 No.613

生命に学ぶ鍼灸医学 第11話

処置する

~処置する~

一元流鍼灸術代表 伴尚志 


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■この連載について

 この文章の目的は、鍼灸医学の基礎の解説をすることにあります。東洋医学的な鍼灸を、原理的に煮つめて以下の条項にまとめました。2018年6月から1年間をめどに毎月配信しています。よろしくお願いします。
  1. 東洋医学的な鍼灸を探求した人々は、聖人を目指していました。その聖人とは超能力者ではなく、求道者のことです。
  2. 鍼灸治療の目標とは何でしょうか。その基本は、生命を調えることにあります。そこを見ることができるから、今を磨く養生を提言することができるわけです。
  3. 鍼灸医学は単なる症状とりのための技術ではありません。生を応援するための技術です。深い治病はその後についてくるものです。
  4. 見ることを磨くために弁証論治があります。時系列の問診をして生命の流れを診、四診をして今の状況を診、構造的に考えていくことによってその生命状況を見極めます。
 東洋医学的鍼灸は求道者によって創始され、江戸時代の求道的な精神を背景にして、気一元の身体観とともに花が咲きました。

 探究の焦点となる、自分自身を見つめる心の位置と、四診をする心の位置はおなじです。これは、神道―仏教(禅)―儒学(古義学)を貫く一点となります。「自己の内面を祓い浄め、磨き出された自己の中心をもって、他者を診」ます。

 病を含めてすべては「生命」の揺らぎの内にあります。その揺らぐ生命の型として、「臍下丹田を中心とする気一元の生命観」と、その展開である「肝木の身体観」を紹介しました。

 この身体観を点検しながらわれわれは、弁証論治という名称で人間理解の方法を展開しています。資料を集め分析し、集めた情報を再構成するこの方法は、身体という一つの場を定める「一」から始まり、それを解釈しなおして「一」に帰るものです。まるごとひとつの生命という場をきちんと眺めるための方法ですので、東洋医学に関わりない方でも、参考にすることができると思います。

 これまで、学ぶ姿勢とはどういう姿勢なのか、見るとはどういうことなのかを語ってきました。今回は、「生命の弁証論治」における治療とは何かということについて考えていきます。

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