週刊あはきワールド 2019年5月8日号 No.617

生命に学ぶ鍼灸医学 第12話(最終回)

まとめ

一元流鍼灸術代表 伴尚志 


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■この連載について

 この文章の目的は、鍼灸医学の基礎の解説をすることにあります。東洋医学的な鍼灸を、原理的に煮つめて以下の条項にまとめました。2018年6月から1年間をめどに毎月配信しています。よろしくお願いします。
  1. 東洋医学的な鍼灸を探求した人々は、聖人を目指していました。その聖人とは超能力者ではなく、求道者のことです。
  2. 鍼灸治療の目標とは何でしょうか。その基本は、生命を調えることにあります。そこを見ることができるから、今を磨く養生を提言することができるわけです。
  3. 鍼灸医学は単なる症状とりのための技術ではありません。生を応援するための技術です。深い治病はその後についてくるものです。
  4. 見ることを磨くために弁証論治があります。時系列の問診をして生命の流れを診、四診をして今の状況を診、構造的に考えていくことによってその生命状況を見極めます。
 東洋医学的鍼灸は求道者によって創始され、江戸時代の求道的な精神を背景にして、気一元の身体観とともに花が咲きました。

 探究の焦点となる、自分自身を見つめる心の位置と、四診をする心の位置はおなじです。これは、神道―仏教(禅)―儒学(古義学)を貫く一点となります。「自己の内面を祓い浄め、磨き出された自己の中心をもって、他者を診」ます。

 病を含めてすべては「生命」の揺らぎの内にあります。その揺らぐ生命の型として、「臍下丹田を中心とする気一元の生命観」と、その展開である「肝木の身体観」を紹介しました。

 この身体観を点検しながらわれわれは、弁証論治という名称で人間理解の方法を展開しています。資料を集め分析し、集めた情報を再構成するこの方法は、身体という一つの場を定める「一」から始まり、それを解釈しなおして「一」に帰るものです。まるごとひとつの生命という場をきちんと眺めるための方法です。

 これまで、学ぶ姿勢、見る姿勢、処置をする姿勢について語ってきました。生命に学び、お返しをする心の位置とその方法について述べてきました。

 今回は、これからの研究課題を中心として、より考察を深めていくための考え方を中心に記載しました。

 一元流鍼灸術では令和2年10月10日を期限として懸賞論文を募集しています。その課題のヒントになれば幸いです。

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